著者
三宅 陽一
出版者
The Society for Reproduction and Development
雑誌
Journal of Reproduction and Development (ISSN:09168818)
巻号頁・発行日
vol.42, no.6, pp.j111-j118, 1996 (Released:2010-10-20)

これまでに家畜には多くの染色体異常例があり,それが繁殖障害と密接に関連していることを報告した.今回,それらの結果をもとに,染色体異常例は以下の4つの型に区分されるものと考えた.すなわち,A群は染色体の形態に異常があり相対的不妊症を示すもの(転座,逆位);B群は染色体の形態は正常であるが絶対的不妊症を示すもの(XY female,間性);C群は染色体数の増減があり絶対的不妊症を示すもの(トリソミー,モノソミー);D群は性染色体のキメラが認められ絶対的な不妊症を示すもの(フリーマーチン)である.今後,このような染色体異常例は家畜の遺伝子(群)の機能を解析するうえで,格好のモデルになるものと思われる.

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