- 著者
-
藤田 悠介
- 出版者
- 公益社団法人 土木学会
- 雑誌
- AI・データサイエンス論文集 (ISSN:24359262)
- 巻号頁・発行日
- vol.4, no.3, pp.36-45, 2023 (Released:2023-11-14)
- 参考文献数
- 20
画像上のひび割れを高精度に抽出するためにDeep convolutional neural networkの適用にかかる期待は大きい.しかしながら,高性能なモデルの構築には,膨大なデータの収集と,クラスラベルを付与するアノテーションが必要であり,いかにこれらの作業を効率化するかが課題である.中でも,画素単位でひび割れを抽出する領域分割(セマンティックセグメンテーション)モデルを構築するためには,画素単位でのラベル付けが必要であり,その正確性はモデルの性能にも影響を及ぼす.本論文では,弱教師あり学習の一手法であるMultiple-Instance Learningの枠組みにより,広い領域に対してひび割れの有無を教示したデータを用いて,狭域な領域内でのひび割れの有無を分類するDeep convolutional neural networkモデルを構築する方式を提案する.検証実験により,Multiple-Instance Learningを多段階で適用することにより,ラベルを付与する量を増加させず,高精度で詳細な分類が可能になることを示す.