著者
馬場 正之
出版者
一般社団法人 日本臨床神経生理学会
雑誌
臨床神経生理学 (ISSN:13457101)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.143-150, 2013-06-01 (Released:2015-02-25)
参考文献数
30
被引用文献数
3

進行した糖尿病性多発神経障害diabetic polyneuropathy (以下DPN) は生命予後を短縮し, 患者の生活の質を著しく損なう。DPNの客観的重症度判定法確立が世界中から切実に求められているのは, それゆえである。本稿では, 個々のDPN患者における各種伝導パラメータ異常が持つ意味をもとに, DPN進行に関わるNCS異常のとらえかた, および糖尿病性神経障害重症度判定の可能性を検証し, I度: 速度系パラメータ異常のみ, II度: 腓腹神経感覚電位低下, III度: 脛骨神経M波振幅低下, IV度: 脛骨M波高度低下の4段階評価基準がDPN重症度判定に有効であることを解説した。また, それをもとに筆者が作成した重症度アルゴリズムを提示し, 臨床現場での使用法をまとめた。神経伝導検査は世界的にDPNのgolden standardとされるほど客観性に優れるが, このような重症度判定アルゴリズムの導入が糖尿病患者管理の精度向上に寄与するとともに, DPN診療現場における神経伝導検査の重要性をより明確にできると期待される。

言及状況

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下肢のみに着目して、「DPNなし、軽度、中等度、重度、廃絶」に分類する。軽症は複数あるがtibial A波やF波遅延など。Sural SNAP<5μVは中等度の基準。重度(Tibial CMAP2-5mV)から突然死のリスクが上昇する。ということで答えは3です。 https://t.co/hly1kpvQpD

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