- 著者
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山田 哲久
名取 良弘
- 出版者
- 特定非営利活動法人 日本脳神経外科救急学会 Neurosurgical Emergency
- 雑誌
- NEUROSURGICAL EMERGENCY (ISSN:13426214)
- 巻号頁・発行日
- vol.28, no.1, pp.1-5, 2023 (Released:2023-09-21)
- 参考文献数
- 14
新型コロナウイルス感染症の流行や緊急事態宣言の発令で人々の生活は感染対策が中心となった.この状況下で脳神経外科疾患の症例数に変化が生じたか検討した.当院脳神経外科で2017年1月から2022年12月までに入院加療を行った症例を対象とした.対象症例を2017年~2019年まで(コロナ禍前)と2020年~2022年まで(コロナ禍)に分けて,総数および脳腫瘍,脳血管障害,神経外傷,慢性硬膜下血腫,その他に分けて前後で症例数を比較した.コロナ禍前の年平均値とコロナ禍の年平均値は総数および脳血管障害以外で減少していた.総数は2020年に減少し,2021年は変化なし,2022年にさらに減少していた.脳腫瘍,脳血管障害は2020年に減少し,2021年以降はコロナ禍前に戻っていた.神経外傷,その他は,2020年に減少し,2021年は変化なし,2022年にさらに減少していた.慢性硬膜下血腫は,2020年は変化なし,2021年に減少し,2022年は変化なしであった.病院側の要因と患者側の要因が考えられた.外出の自粛で交通量を減少させることで神経外傷が減少した可能性が考えられた.