著者
遠藤 壮馬 淺井 仁
出版者
一般社団法人 日本神経理学療法学会
雑誌
神経理学療法学 (ISSN:27580458)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.35-44, 2023-03-31 (Released:2023-03-31)
参考文献数
33

【目的】痙直型脳性麻痺片麻痺児の痙縮腓腹筋に対する局所振動刺激とストレッチの併用介入が粗大運動能力の向上に及ぼす影響を、シングルケーススタディ(ABABデザイン)を用いて検討した。【方法】対象は腓腹筋に痙縮が認められる2歳11カ月の痙直型脳性麻痺右片麻痺児である。ABABデザインを用いて、通常ストレッチ(A期)と腓腹筋への振動刺激とストレッチの併用(B期)をそれぞれ実施し、時期別にアウトカムを比較した。アウトカムは膝関節伸展位での足関節背屈可動域、腓腹筋のModified Tardieu Scale(MTS)、66項目版Gross Motor Function Measure(GMFM-66)、GMFMの項目D(立位)および項目E(歩行・走行)とした。【結果】膝関節伸展位での足関節背屈可動域およびMTSのR1(素早く足関節を背屈させて抵抗が起こる最初の角度)の値はB期にのみ改善が認められた。また、開始時と終了時で比較するとGMFM-66、GMFMの項目DおよびEの点数の向上がそれぞれ認められたが、時期別に比較すると2回のB期にのみ点数の向上が認められた。【結論】振動刺激とストレッチの併用介入は通常のストレッチ介入よりも運動能力の向上に寄与する可能性がある。

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