著者
村社 卓
出版者
一般社団法人 日本社会福祉学会
雑誌
社会福祉学 (ISSN:09110232)
巻号頁・発行日
vol.58, no.4, pp.32-45, 2018-02-28 (Released:2018-06-22)
参考文献数
29

本稿の研究目的は,高齢者の孤立予防に関わるボランティアの継続特性について,実証的,構造的に明らかにすることである.特に,ボランティアの「楽しさ」に焦点を当てている.研究方法は定性的研究法である.データ収集は3年以上にわたる参与観察とインタビューにより行った.データ分析には定性的コーディングを用いた.分析の結果,ボランティアの継続は推進と維持の2機能によって可能となり,両者は相補的な関係にあった.継続の推進は「双方向の体験によって生じる活動への没頭と意欲的な試み」,継続の維持は「無理のない姿勢によって生じる活動での気楽さと自己管理による改善」と定義できた.推進と維持の内容は,「要因」「感情」「行動」の視点からそれぞれ明らかにした.さらに,「フロー理論」との比較検討による継続特性も提示した.本研究の成果は,高齢者の孤立予防に関わるボランティアへの支援内容の提示および研修プログラム作成に貢献するものである.

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