- 著者
-
野村 隆士
- 出版者
- 日本ウイルス学会
- 雑誌
- ウイルス (ISSN:00426857)
- 巻号頁・発行日
- vol.55, no.1, pp.19-26, 2005 (Released:2005-11-22)
- 参考文献数
- 45
- 被引用文献数
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4
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カベオラがエンドサイトーシスを行う膜ドメインであるかどうかは,未だに議論されている問題である.しかし,Simian virus 40(SV40)の細胞内侵入のリアルタイムイメージング解析により,ウイルス侵入に利用されるカベオラエンドサイトーシスの詳細が明らかになってきた.SV40を内包したカベオラは,ダイナミン依存的に細胞膜からbuddingする.その後,SV40はカベオソームへ移動し,やがてERへと運ばれる.これに加えて,ヒトコロナウイルス-229Eも細胞内侵入にカベオラを利用することがわかってきた.本稿では,現在明らかにつつあるカベオラエンドサイトーシスを紹介し,ウイルス侵入との関わり合いを論じたいと思う.