著者
狩野 安正
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.45, no.6, pp.414-417, 1992-06-20 (Released:2011-06-17)
参考文献数
9
被引用文献数
2 2

患犬は, 発症翌日に来院した.前日の朝から食欲・元気なく, 流涎・腹痛・吐き気を主訴としていた.初診から6時間後に嘔吐が出現し, 沈鬱状態の進行がみられ7時間半を経過して瘋痒感が出現し, 右後肢で右肩甲関節後方を瘋くような動作を示した.8時間後に熱発と意識の混濁がみられた.13時間後に心機能の低下がみられ, 血液検査所見ではCPK, LDH, GOT, ALP, PCV, WBC (好中球) の著しい増加とβ-グロブリンの減少が認められた.嘔吐は断続的にみられ白色泡状から瀕死期には黒褐色水様となった.初診から21時間後に死亡したので, 病理組織学的検査, 細菌学的検査ならびにウイルス学的検査を行った.延髄に核内封入体をともなった非化膿性脳炎像が認められ, 肺からオーエスキー病 (AD) ウイルスが分離された.以上のことから, 本症例をADと診断した.

言及状況

外部データベース (DOI)

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犬にみられたオーエスキー病の1例 https://t.co/7lLZmF4VAX わが国における犬のオーエスキー病の自然例 https://t.co/uHcm7Fyw62

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