著者
稲垣 伸介
出版者
杏林医学会
雑誌
杏林医学会雑誌 (ISSN:03685829)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.73-82, 1994-03-31 (Released:2017-02-13)

われわれは,三次元再構築法を用い,back to backの頻度や血管と腺管の関係について形態学的分析を試みた。この研究に用いた検体の組織学的診断は,正常増殖期内膜10例,腺腫性増殖症14例,異型増殖症3例,高分化型腺癌10例である。1つの腺管に4個以上の腺管がback to backで接合した所見は高分化型腺癌以外に認められなかった。弱拡大1視野中の血管数は,腺腫性増殖症で39.9,異型増殖症で46.3,高分化型腺癌で12.7であったが,腺管と結合した血管数は増殖症に比べ高分化型腺癌で増加した。血管に2個以上の腺管が接合した所見は高分化型腺癌以外に認められなかった。三次元再構築において,腺管の歪みは増殖症に比べ高分化型腺癌で増大し,血管が多数の腺管に包囲される所見は高分化型腺癌以外に認められなかった。以上の結果より,細胞診において血管と上皮集塊が接合した所見は高分化型腺癌の鑑別に重要であることが確認された。

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