著者
倉重 真明
出版者
九州精神神経学会
雑誌
九州神経精神医学 (ISSN:00236144)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.96-103, 2015-08-15 (Released:2017-07-11)
参考文献数
5

平成27年3月9日,兵庫県淡路島で,精神障害者による殺人事件が起きた。病状不安定なため家族は心配し,警察や保健所などの関係機関に,何度も相談していた。過去にも,同様なケースは多く見られる。悲惨な事件を繰り返さない為には,「事件がなぜ起きて,なぜ防げなかったのか」を振り返り,対策を練る必要がある。何よりも,事件を未然に防ぐことが大切である。筆者は,26年間の往診の経験から,関係機関と連携した精神科医による往診が,有効な解決策の一つであると考えた。当事者と家族の困難時に寄り添い,不安を軽減し,状況に応じて判断を下すのは,現行法上,精神科医にしかできない仕事である。危機介入しても,すべての事件を防げるわけではないが,数は減らせるはずである。そのためには,無理のないシステムを作り,実践することこそ重要であろう。そこで,筆者のクリニックにおける往診の取り組みを報告すると共に,手上げ方式による,精神科往診輪番事業を提案した。

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@h_nakatsugawa 暴れる系は精神科の病気ある可能性ある 精神科医は病気によっては在宅で家もきてくれるんじゃないの だからあばれる、自殺を示してる時は緊急で家にいったりするんでしょ 投薬とかもできるんじゃないの? どっちにしても精神には医者がいる https://t.co/Cy9tJDTDjO

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