著者
原田 隆平
出版者
分子シミュレーション研究会
雑誌
アンサンブル (ISSN:18846750)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.61-65, 2013-01-31 (Released:2014-01-31)
参考文献数
11

生体分子の生物学的機能や構造安定性を調べるうえで, それらを規定している生体分子の自由エネルギー地形を計算することは重要である. 本研究では, とくに蛋白質における自由エネルギー地形を効率的に計算するための計算手法を開発した. 蛋白質は, ヘテロな原子から構成された多自由度系であり, 周囲との相互作用が複雑である. このため, 自由エネルギー地形上には数多くのエネルギー極小状態が存在し, 通常の分子動力学シミュレーションを用いた構造探索では, これらの準安定状態に構造がトラップされてしまうため, 効率的に自由エネルギー地形を計算することは困難である. このような理由から, 新しい自由エネルギー地形計算手法として, 自由度の異なる2つのモデル (粗視化モデル・全原子モデル) を錬成したマルチスケールシミュレーションと, 超並列シミュレーション (互いに通信のない完全に独立なシミュレーション) を組み合わせた, Multi-Scale Free Energy Landscape calculation method (MSFEL法)を開発した.

言及状況

外部データベース (DOI)

Twitter (1 users, 1 posts, 0 favorites)

「博士論文紹介「超並列マルチスケールシミュレーション MSFEL 法で探る生体分子の自由エネルギー地形」 」 https://t.co/uq0ria5NBz ‥‥ 蛋白質における自由エネルギー地形を効率的に計算するための計算手法を開発したという文書

収集済み URL リスト