- 著者
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内丸 薫
- 出版者
- 一般社団法人 日本内科学会
- 雑誌
- 日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
- 巻号頁・発行日
- vol.106, no.7, pp.1370-1375, 2017-07-10 (Released:2018-07-10)
- 参考文献数
- 5
ヒトT細胞白血病ウイルス1型(human T-cell leukemia virus type 1:HTLV-1)は日本に約100万人の感染者が存在し,近年,九州・沖縄地方から都市部へ分布が変化しつつある.妊婦検診,献血によって判明するケースがそれぞれ3分の1で,年間4,000名程度は新規に感染が判明する.感染ルートは母児感染と性交渉であるが,最近,性感染の実態が明らかになりつつある.感染者の5%程度が成人T細胞白血病(adult T-cell leukemia:ATL)を発症するほか,HTLV-1関連脊髄症(HTLV-1-associated myelopathy:HAM),HTLV-1ブドウ膜炎等の原因になる.