著者
眞部 紀明 春間 賢
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.108, no.1, pp.55-62, 2019-01-10 (Released:2020-01-10)
参考文献数
21

慢性便秘の治療目標は,排便回数や便性状のコントロールだけでは不十分であり,腹部膨満感や腹痛等の排便周辺症状のコントロールに配慮することも重要である.このような点から,薬理作用点の多い漢方治療の適応となる慢性便秘患者も決して少なくはないと考えられる.本稿では,慢性便秘治療としての漢方治療に焦点を絞り,これまでに報告されているエビデンスと慢性便秘における漢方薬の使い方及び注意点を中心に概説した.今後,慢性便秘患者数は増加することが予測され,それに伴い,漢方治療の需要もますます高まっていくと考えられる.引き続き,漢方治療の位置付けを明確にし,作用機序の解明を含めた新たなエビデンスを構築していくことが重要であると思われる.

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