著者
河野 敬雄
出版者
数理社会学会
雑誌
理論と方法 (ISSN:09131442)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.195-209, 2002-10-31 (Released:2009-02-10)
参考文献数
14

社会問題としての大学入試制度を分析する枠組みとして,「複数の意思決定主体が複数の選択肢を持ち,かつ相手の選択肢の結果を想定した上で,何らかの意味における合理的な選択をするメカニズムを分析する枠組み」としてのゲーム理論的視点が有効であることを大学審議会報告(1993)等の分析を通して明らかにする。 次に,大学審議会答申(2000)の提唱する「資格試験化」と「受験機会の複数化」に関して,(1)試験を資格試験とみなした場合,(2)2回受験可能な現行の2次試験の場合,(3)センター試験で2回の得点の良い方の点数で比較する場合,を確率変数を用いて表現される数理モデルに基づいて検討する。結果として,特に(3)の場合,答申の意図する「主観的合理性」が必ずしも客観的評価に耐えられないことを指摘する。

言及状況

外部データベース (DOI)

はてなブックマーク (1 users, 1 posts)

[あとで読む] おもろいので後で読む

収集済み URL リスト