- 著者
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中桐 裕子
栗田 治
- 出版者
- 公益社団法人 日本オペレーションズ・リサーチ学会
- 雑誌
- 日本オペレーションズ・リサーチ学会和文論文誌 (ISSN:13498940)
- 巻号頁・発行日
- vol.47, pp.83-105, 2004 (Released:2017-06-27)
- 参考文献数
- 12
- 被引用文献数
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本研究では, ある商品やファッション, その他の嗜好が一瞬にして人々の間に広まり, その後短期間のうちに忘れ去られてしまうといった社会的なブームに着目し, この現象をモデル化して解析する.ある特定のブームに参加する顧客の状態を「ブーム前」, 「ブーム」, 「ブーム後」, 「定着」の4つに分割した上で, 状態を変化させる顧客の数が直前の状態にある顧客数に比例すると仮定して線形微分方程式モデルを作成し, ブーム前後の定着顧客数比やブームのピーク時刻など諸特性値を算出した.このモデルは, 我が国における「即席めん消費ブーム」, 「焼酎ブーム」や「サッカーブーム」時の実データを説明するのに有効であると結論付けられ, モデルによってブーム特性の地域差やブームによる定着顧客数の増加について定量的に説明することができた.本研究で提案したモデルは非常に簡便・単純であり, モデル拡張による適用範囲の拡大などが望める.