- 著者
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芳賀 博文
- 出版者
- 日本都市地理学会
- 雑誌
- 都市地理学 (ISSN:18809499)
- 巻号頁・発行日
- vol.1, pp.3-18, 2006 (Released:2020-02-29)
- 参考文献数
- 23
- 被引用文献数
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高層の建築物は都市の景観を形成する重要な一要素である.本稿では,東京での近年における超高層建築の著しい建設増を踏まえ,東京の景観が如何に変容しているかを明らかにし,その背景についての考察を行った.東京における超高層建築の建設動向は大きく3 つの時期に分けられるが,時を経るに従って建築数は加速度的に増加している.特に2002 年に成立した「都市再生特別措置法」は,超高層建築の建設に際しての様々な規制を大きく緩和し,建設増を著しく加速化させたものと考えられる.地域別に見ると,西新宿が早期から際立ったスカイラインを形成していたが,1980 年代後半からは都心部やウォーターフロント地域でも著しく高層化が伸展するようになった.ただし,様々な高さ規制により,どの地域でも超高層建築が自由に高く伸びることはない.とりわけ航空法による高さ規制は,東京のスカイラインの形状を大きく規定しているものといえる.