著者
小菅 丈治
出版者
日本貝類学会
雑誌
Venus (Journal of the Malacological Society of Japan) (ISSN:13482955)
巻号頁・発行日
vol.68, no.1-2, pp.67-70, 2009-09-30 (Released:2016-05-31)
参考文献数
8
被引用文献数
1

ブンブクヤドリガイ科アケボノガイ属の一種Barrimysia siphonosomae Morton & Scott, 1989を,石垣島名蔵湾から記録した。本種は,香港の砂泥質の干潟に棲息するスジホシムシモドキSiphonosomacumanenseの巣孔内に棲息することが知られ,石垣島名蔵湾でもサンゴ片などの礫混じりの砂泥干潟に棲息するスジホシムシモドキの巣孔内より見出された。日本からは初めての記録であり,ホシムシの一種の巣孔に棲む習性とアケボノガイ属の一種であることに因んで「ホシムシアケボノガイ」の新和名を提案した。模式産地以外から初めての記録でもあり,香港から琉球列島にかけて分布することが明らかになった。2008年8月に行った名蔵湾での観察結果では,採集したスジホシムシモドキの巣孔の15~17%にホシムシアケボノガイが生息していた。ホシムシアケボノガイは,多くの場合単独で生息していたが,2個体の貝が1つの巣孔から見つかる例も少数観察された。

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沖縄県RDBの記述(上の写真も、同書に久保弘文前会長が公表した原図をご提供戴きました)。ここに明記してある通り、国外でも香港(タイプ産地)でのみ知られる稀少種です。 原記載(Morton & Scott 1989):https://t.co/xLoVkFwdXb 名蔵湾での最初の記録(Kosuge 2009): https://t.co/a77mwwckbT https://t.co/M7ubFIiXpI

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