- 著者
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森口 一志
矢野 隆
新開 志帆
- 出版者
- 愛媛県立果樹試験場
- 巻号頁・発行日
- no.15, pp.55-65, 2002 (Released:2011-03-05)
キウイフルーツの主幹部への環状はく皮処理について、処理時期、連年処理による果実肥大、果実品質、新梢伸長、翌年の発芽率・着花量等について調査した。なお、処理は幅1cmの環状はく皮を7日毎に4回おこなった。 1)果実の伸長量は、7月中下旬を中心に処理した区で優れ、連年処理によりさらに顕著になった。 2)果実の重量別階級構成比でのL果以上の割合は環状はく皮処理区が対照区に比べ高く、早いほど大果であった。また、連年処理により肥大効果は顕著に現れた。 3)果実品質のうちBrixは収穫果、追熟果ともはく皮処理樹で高く、処理時期が遅いほど高い傾向が見られた。 4)単年処理・連年処理とも処理翌年の発芽率、母枝当りの花数、結果枝当りの花数には差は認められず、着花数では1m2あたり100花以上確保できた。処理翌年の新梢の初期伸長は処理区で劣った。 5)根のデンプン含量は、連年処理樹の8月、9月で無処理に比べ低くなったが、その後休眠期までにある程度まで回復した。 6)環状はく皮による果実の追熟性・貯蔵性は対照区と差は認められなかった。