著者
唐澤 豊
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.61-66, 2002 (Released:2011-03-05)

1988年にイスラエルから沖縄にダチョウが導入されて以来、日本における産業的なダチョウ飼育が始まり、その飼養羽数は1996年の566羽から急激に増加して2001年の夏には9300羽を越えた。このようにダチョウ飼育が日本で注目された社会的背景には、バブル経済の崩壊に伴う新規事業対象として、あるいは農山村の農業の停滞に伴う過疎化と荒廃農地の増加などが主な要因としてあると思われる。もちろんその前提として、ダチョウの動物資源としての有用性があったからに他ならない。ダチョウは、雑食性ではあるが牧草を好みよく利用することができること、皮、肉など余すところなく利用できることに加えてそれらの生産物の付加価値が高いこと、繁殖技術や管理技術の向上によってさらに生産性の飛躍的な向上が期待できること等々,きわめて優れた動物資源といえる。私たちには、この優れた動物資源をどのように社会の中で活用し利用できるか、関連分野の力量を問われている課題であるともいえる。

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編集者: X-enon147
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