著者
神 勝紀 桜井 健一 平子 慶之 唐澤 豊
出版者
公益社団法人 日本畜産学会
雑誌
日本畜産學會報 = The Japanese journal of zootechnical science (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.69, no.1, pp.62-64, 1998-01-25
参考文献数
10

Digestibilities and nitrogen retention of non-gelatinized and gelatinized limed splits, and effects of the limed splits on digestibilities of nutrients were studied in colostomized chickens. Egg albumen (control diet), a 1:1 (on the basis of crude protein) mixture of egg albumen and non -gelatinized limed split (AS diet) and that of egg albumen and gelatinized limed split (AGS diet) were used as the dietary protein source. All diets contained 14% crude protein. Decreased feed consumption was observed in AS diet and AGS diet groups. There was no difference in digestibilities of nutrients among 3 groups, but nitrogen retention in AS and AGS diet groups was lower than in control group. Results obtained here indicate that more than 90% of limed split is digested by chickens irrespective of gelatinization and that the palatability of limed split should be improved for practical use.
著者
神 勝紀 唐澤 豊 関川 堅
出版者
日本万国家禽学会
雑誌
日本家禽学会誌 (ISSN:00290254)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.12-18, 2000-01-25
参考文献数
13
被引用文献数
4

飼料誘導性熱産生がニワトリの体温調節に関与するかどうかを調査する目的で,摂食鶏と絶食鶏の耐寒性を比較検討した。ブロイラー雄(3週齢)を26&deg;C(&plusmn;1&deg;C)に調節した恒温室に収容し,摂食区(4羽)には実験開始直前まで,絶食区(5羽)には実験開始2日前まで飼料と水を自由摂取させた。絶食区には実験前の2日間水だけを給与した。実験は30から32日齢の間に行った。環境に順応させるために,ニワトリを26&deg;C(&plusmn;1&deg;C)に調節した温度調節チャンバー内に個別に収容して24時間放置した後に,チャンバー内の気温を26&deg;Cから5&deg;Cまで3&deg;Cずつ低下させ,体表温,直腸温,心拍数およびふるえを耐寒性の指標として測定した。<br>体表温は気温26&deg;Cのとき両区とも約39.3&deg;Cであり,気温低下に伴って両区とも同程度の低下を示したが,摂食区の方がばらつきが大きかった。直腸温は気温26&deg;Cのとき摂食区と絶食区との間に有意差は認められず,摂食区では気温低下に関わらずほぼ一定であったが,絶食区では気温23&deg;Cから低下し始あ,8&deg;Cのとき最低になった。心拍数は気温26&deg;Cのとき摂食区の方が絶食区よりも有意に多く,摂食区では気温低下に伴って漸増したのに対し,絶食区では気温20&deg;Cまで変化せず,その後急激に増加した。最初のふるえが確認された気温は摂食区では4羽とも17&deg;Cであったが,絶食区では5羽中2羽が17&deg;C,3羽が14&deg;Cであった。<br>以上から,飼料誘導性熱産生はニワトリの体温調節に一部利用されること,および下限臨界温度は絶食によって低下する可能性が示唆された。
著者
神 勝紀 河合 弘恵 桜井 健一 平子 慶之 唐澤 豊
出版者
公益社団法人 日本畜産学会
雑誌
日本畜産學會報 = The Japanese journal of zootechnical science (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.68, no.11, pp.1085-1088, 1997-11-25
参考文献数
15
被引用文献数
3

The aim of the present study is to estimate utilization of limed split as a protein source of the diet for chickens. Egg albumen (control diet), a 1:1 (on the basis of crude protein) mixture of egg albumen and limed split (AS diet) and that of egg albumen and gelatinized limed split (AGS diet) were used as the dietary protein source. All diets contained 20% of crude protein. Chicks were force-fed on the diets for 10 days. Composition and contents of amino acids in limed split were much the same as those in gelatinized one. Out of essential amino acids, glycine was extremely excessive, while histidine, isoleucine, methionine and tyrosine were deficient, and cystine and tryptophan were negligible. AS and AGS diets were suboptimal in threonine and tryptophan. There was no significant difference in body weight gain, feed efficiency and nitrogen retention among control, AS and AGS groups. Results obtained here suggest that limed split may be used as a protein source of the diet for chicks, supplying essential amino acids, and that gelatinization of limed split may be unnecessary.
著者
孫 章豪 唐澤 豊 神 勝紀
出版者
日本万国家禽学会
雑誌
日本家禽学会誌 (ISSN:00290254)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.193-197, 1996-05-25
参考文献数
14
被引用文献数
1 4

本実験では,蛋白質10%飼料あるいは同飼料プラス尿素給与時のニワトリの窒素利用と排泄に及ぼす盲腸結紮の影響を調べた。飼料の蛋白質窒素と添加した尿素窒素の1日当たりの摂取量は,それぞれ体重kg当たり560mg, 280mgであった。盲腸結紮は蛋白質10%飼料給与時には窒素の利用性を高める傾向があったが,同飼料に尿素を添加した場合は低下させる傾向があった。盲腸結紮によって,尿酸とアンモニアの排泄量は,両飼料群で有意に減少したが,尿素排泄量は尿素給与時では対照区の4倍以上に増加し,蛋白質10%飼料群では増加傾向を示した。血液アンモニア,尿素および尿酸濃度は両飼料群で盲腸結紮の影響を受けなかった。以上の結果から,蛋白質含量中程度の飼料給与時にも,盲腸結紮は,尿素給与時を除いて,低蛋白質飼料給与時と同様に窒素の利用と排泄に影響することが示唆された。
著者
曹 兵海 唐澤 豊 神 勝紀
出版者
公益社団法人 日本畜産学会
雑誌
日本畜産學會報 = The Japanese journal of zootechnical science (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.69, no.1, pp.65-68, 1998-01-25
参考文献数
7

This study was conducted to examine effects of dietary cellulose levels on growth and nitrogen utilization in young chicks fed equal amounts of nutrients of a 15% protein diet. Body weight gain significantly increased with an increase in dietary cellulose level until 3.5%, then decreased linearly up to an inclusion of 20% of cellulose in the diet (3.5 vs. 0, 10 or 20%, P<0.05). Feed efficiency was not influenced by dietary cellulose levels from 0 to 5%, but decreased by 10% and more dietary cellulose levels(10 vs. 1.5, 3.5 or 5%, P<0.05; 20 vs. 0, 1.5, 3.5 or 5%, P<0.05). Nitrogen(N) retention, N retention rate and retention rate of absorbed N were significantly increased by 1.5% cellulose level (P<0.05), then significantly decreased by 3.5% and more dietary cellulose levels (P<0.05). Apparent digestibility of dietary protein was not influenced by changes in dietary cellulose level. It is concluded that the highest rates of growth and N retention and retention rate are obtained by 1.5% dietary cellulose, and lowered by 3.5% and more dietary cellulose levels when protein intake is restricted to 15% crude protein in chicks.
著者
木部 久衛 野田 恵利子 唐澤 豊
出版者
公益社団法人 日本畜産学会
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.52, no.12, pp.882-888, 1981
被引用文献数
1

材料草の違いがサイレージの埋蔵過程における品質ならびに微生物相にどのような影響をおよぼすかを調査するため,出穂前期のオーチャードグラスを用い,これを切断長によりA区(0.5cm),B区(1.0cm),C区(3.0cm),およびD区(5.0cm)の4区に分け,それぞれ細切後大型試験管に詰め,発酵栓をほどこして56日間貯蔵した.得られた結果は以下のとおりである.1. 材料草を細切することにより埋蔵初期における乳酸菌のいちじるしい増殖を促し,pHを急速に低下させた.2. サイレージの埋蔵過程における発酵的品質は細切するほど向上し,切断長が0.5cmの場合に最もよい結果が得られた.サイレージのpH,揮発性塩基態窒素比率,酪酸ならびに全揮発性脂肪酸含量は,A区の場合がB, CおよびD区の場合に比較して最も低かった.また細切することにより乳酸含量は増加した.
著者
唐澤 豊 相浦 宣徳
出版者
日本物流学会
雑誌
日本物流学会誌 (ISSN:13493345)
巻号頁・発行日
vol.1999, no.7, pp.59-72, 1999

1970年代以降我が国のロジスティクスへの関心は急速に高まり、昨今ではサプライチェーン・マネジメントやバリューチェーン・マネジメントへと発展している。この間多くの書籍の出版を見たが、地道に学術的研究の成果を踏まえた内容の図書を探し出すのは極めて難しい。そこで本研究では、学術的研究の第1歩である欧米の文献調査を実施し、ロジスティクス理論のファンダメンタルズである活動領域に焦点を当てこれを整理すると共に、自己の経験と研究から私案の提案を試みる。
著者
神 勝紀 大島 裕治 富田 くるみ 唐澤 豊
出版者
信州大学農学部
巻号頁・発行日
vol.42, no.1-2, pp.9-16, 2006 (Released:2011-03-05)

開放型の間接熱量測定装置を作製した。この装置は体重2kg以下のニワトリにおけるエネルギー代謝研究に使用するものであり,給餌後の急速な熱生産反応にも対応できる応答速度を持たせるように設計した。作製後に装置の応答速度およびO2とCO2の回収率を測定し,さらに実際にニワトリを用いてHPを測定した。O2とCO2の濃度変化に対する応答の遅れはいずれも2分程度であり,O2とCO2の回収量はそれぞれ99.2%と96.2%であったが,この程度の応答の遅れやCO2回収率の低さは,HPを求める上では影響はほとんどないと考えられていた。ニワトリを用いた試験では,絶食時と自由摂取時のHPおよび給餌後のHPパターンとも過去の報告と類似した結果が得られた。以上から,本研究で作成した装置はニワトリのHPを測定するに十分な性能を持つと考えられた。
著者
唐澤 豊
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.61-66, 2002 (Released:2011-03-05)

1988年にイスラエルから沖縄にダチョウが導入されて以来、日本における産業的なダチョウ飼育が始まり、その飼養羽数は1996年の566羽から急激に増加して2001年の夏には9300羽を越えた。このようにダチョウ飼育が日本で注目された社会的背景には、バブル経済の崩壊に伴う新規事業対象として、あるいは農山村の農業の停滞に伴う過疎化と荒廃農地の増加などが主な要因としてあると思われる。もちろんその前提として、ダチョウの動物資源としての有用性があったからに他ならない。ダチョウは、雑食性ではあるが牧草を好みよく利用することができること、皮、肉など余すところなく利用できることに加えてそれらの生産物の付加価値が高いこと、繁殖技術や管理技術の向上によってさらに生産性の飛躍的な向上が期待できること等々,きわめて優れた動物資源といえる。私たちには、この優れた動物資源をどのように社会の中で活用し利用できるか、関連分野の力量を問われている課題であるともいえる。
著者
佐藤 伸一 井本 精一 小島 正明 神 勝紀 唐澤 豊
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.227-233, 1994-06-10 (Released:2010-02-22)
参考文献数
19

10および20%寒天飼料と20%セルロース飼料をラットに3カ月間自由摂取させ, 食品としての寒天の栄養生理効果を検討し, 以下の結果を得た。1) 10および20%寒天群で飼料摂取量の増加がみられたが (10%p<0.05, 20%p<0.01), 飼料効率およびエネルギー消化率には低下がみられ (10%p<0.05, 20%p<0.01), 20%寒天群では体重増加に抑制傾向が認められた。また, 20%寒天群では摂水量の増加が認められた (p<0.01)。2) 10および20%寒天群で盲腸を除く全腸管の湿重量に増加傾向が認められた。3) 10および20%寒天群で排糞重量に増加がみられ (p<0.01), とくに20%寒天群では顕著であった。また, 10および20%寒天群では盲腸内のアンモニア濃度に減少が認められた (10%p<0.05, 20%p<0.01)。4) 20%寒天群で血漿中のグルコースおよび尿素窒素に減少がみられ (p<0.05), 中性脂肪にも減少傾向が認められた。5) 動物の外観, 行動および呼吸などの一般状態, 血液学的検査, 盲腸内容物のpH, 揮発性脂肪酸濃度および腸内細菌叢, 腸管の長さ, 解剖ならびに肝臓, 腎臓, 食道, 胃, 十二指腸, 空腸, 回腸, 盲腸, 結腸および直腸の病理組織学的検査には寒天の影響は認められなかった。6) 20%セルロース群では, 以上の点について20%寒天群とほぼ同様の変化がみられたが, 摂水量, アンモニア濃度, 尿素窒素には変化は認められず, 排糞重量の増加も20%寒天群ほど顕著ではなかった。