著者
平岡 謙一郎 淵脇 恩美 平岡 夏織
出版者
日本哺乳動物卵子学会
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.23-28, 2007 (Released:2011-02-04)

ヒト生殖補助医療において、凍結融解胚盤胞移植により多くの健常児が得られている。しかし、一度凍結融解した胚より発生した胚盤胞の再凍結保存に関する報告は少なく、胚盤胞の再凍結保存の有用性は明らかではない。そこで今回我々は、一度分割期で凍結融解した胚より発生した胚盤胞の再凍結保存の臨床成績を報告する。2004年2月から2006年12月までの間、一度分割期で凍結融解(緩慢凍結法)した胚より発生した胚盤胞27個をガラス化法により再凍結を行い、12症例15周期に対して融解胚移植を行った。融解後の生存率は96%(26/27)、胚移植後の着床率は35%(9/26)、妊娠率は47%(7/15)であった。妊娠の成立した7周期のうち、2周期は流産したが、4周期は5人の健常児の出産に至り、1周期は妊娠継続中である。以上の結果より、一度凍結融解した胚より発生した胚盤胞の再凍結保存は有用であることが示唆された。

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