著者
村野 多可子
巻号頁・発行日
vol.43, pp.23-30, 2007 (Released:2011-11-25)

国内におけるワクモ(Dermanyssus gallinae)の浸潤率は、産卵鶏では85.2%と高い値を示した。ワクモによる被害は、潰れた飽血ワクモの血液や排泄物などの付着による汚卵の発生、人への被害、産卵率への影響、鶏の貧血・死亡がなどであった。また、ワクモ寄生鶏産出卵では卵重の減少、濃厚卵白・H.Uの低下などがみられた。市販されているワクモ駆除目的の殺虫剤の大半に抵抗性の出現が確認されたため、現時点でワクモ防除のために考えられるいくつかの方法を試みた。ワクモが瞬時に死亡する水温は65℃以上であった。24時間のホルマリン薫蒸によるワクモの死亡率は34.8〜62.2%であり、産出された卵の孵化率は90%以上を示した。環境制御資材によるワクモの駆除は資材により大きく効果が異なった。年々市販殺虫剤に対するワクモの抵抗性出現が増加してきている。早期に殺虫剤を含めた新しい駆除法の開発が切望される。

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