著者
村野 多可子
出版者
千葉県畜産総合研究センター
雑誌
千葉県畜産総合研究センター研究報告 (ISSN:13469746)
巻号頁・発行日
no.7, pp.75, 2007-11

農林水産省農林水産技術会議事務局の委託事業である農林水産バイオマスリサイクル研究「システム実用化千葉ユニット」では、千葉県北東部におけるバイオマス多段階利用システムの構築および実証を目的とし、この課題の共同研究として、当センターでは山田町バイオマスプラントで梨の剪定枝から製炭された木炭を房総地どりに給与した。木炭は消化器系内の有毒物質の除去、下痢止めなどに効果があることや、軟質炭素末に吸着させた木酢液はSalmonella Enteritidis(SE)の増殖を抑制するという報告があることから、今回製炭した木炭がSEの排菌抑制に効果があるかを検討した。
著者
村野 多可子
巻号頁・発行日
vol.43, pp.23-30, 2007 (Released:2011-11-25)

国内におけるワクモ(Dermanyssus gallinae)の浸潤率は、産卵鶏では85.2%と高い値を示した。ワクモによる被害は、潰れた飽血ワクモの血液や排泄物などの付着による汚卵の発生、人への被害、産卵率への影響、鶏の貧血・死亡がなどであった。また、ワクモ寄生鶏産出卵では卵重の減少、濃厚卵白・H.Uの低下などがみられた。市販されているワクモ駆除目的の殺虫剤の大半に抵抗性の出現が確認されたため、現時点でワクモ防除のために考えられるいくつかの方法を試みた。ワクモが瞬時に死亡する水温は65℃以上であった。24時間のホルマリン薫蒸によるワクモの死亡率は34.8〜62.2%であり、産出された卵の孵化率は90%以上を示した。環境制御資材によるワクモの駆除は資材により大きく効果が異なった。年々市販殺虫剤に対するワクモの抵抗性出現が増加してきている。早期に殺虫剤を含めた新しい駆除法の開発が切望される。
著者
新垣 裕子 高橋 圭二 赤木 友香 村野 多可子
出版者
千葉県畜産総合研究センター
雑誌
千葉県畜産総合研究センター研究報告 (ISSN:13469746)
巻号頁・発行日
no.12, pp.23-29, 2012-11

捕獲されたイノシシの肉の有効利用を促進する目的で、季節別、体重別(生育ステージ別)に肉質調査や肉の加工利用の検討を行った。季節別の比較では、冬捕獲の肉が水分含量、圧搾肉汁率、筋肉内脂肪含量が高い値を示した(p
著者
村野 多可子 青木 ふき乃 脇 雅之 椎名 幸一 石原 克己 小俣 友紀子
出版者
鶏病研究会
雑誌
鶏病研究会報 (ISSN:0285709X)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.171-180, 2001-02-25
被引用文献数
6

市販Salmonella Enteritidis(SE)不活化油性アジュバントワクチン(SEワクチン)の生産性に及ぼす影響と有効性について検討した。採卵鶏5銘柄を各々100羽づつ供試し,各銘柄の50羽に104日齢でSEワクチンを肩部皮下接種した。その後,474日齢まで体重,飼料摂取量,産卵諸性能,抗体価を経時的に調査した。生産性に及ぼす悪影響は各銘柄とも接種後1週以内に最も顕著に認められたが,回復状況は銘柄により異なり,銘柄4のように初期産卵まで影響が継続するものもあった。抗体の産生性と持続性は銘柄により大きく異なり,銘柄1はピークも低く,持続性も悪かったが,銘柄3は調査終了時でも高い値を示した。さらに475日齢に各銘柄のワクチン接種群と無接種対照群の各々8羽にSE ZK-2a株のリファンピシン耐性株を経口接種により攻撃した。その結果,拝菌数は銘柄2,3,5で,調査日によりワクチン接種群と無接種対照群の間で有意な差が認められたが,肝臓,脾臓,卵巣,卵管における生菌数は各銘柄とも明らかな差はみられなかった。以上の成績からSEワクチンの使用にあたっては,鶏の銘柄によってワクチン接種に対する応答の異なることを考慮する必要のあることが示唆された。