- 著者
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吉川 昌之
- 出版者
- 農林水産技術情報協会
- 巻号頁・発行日
- vol.33, no.1, pp.45-47, 2010 (Released:2011-03-28)
清浄性と低水温性の特長を持つ駿河湾深層水を用いて、高級食材であるアカザエビの養殖技術の開発を目指した。まず、抱卵親エビの飼育に対する深層水の効果を検討した結果、深層水で飼育すると表層水に比べて2倍の幼生を確保できる可能性が示された。次に、初期成長過程を観察した結果、アカザエビにはゾエア幼生期が存在しないことが分かった。幼生および稚エビ期を、「カプセルによる飼育方法」と「新しい個別飼育装置」を考案して飼育した結果、日齢800日の生残率は27.3%、平均甲長は36.1mmとなり、最小商品サイズである40mm以上の個体も出現した。さらに「引き出し式飼育装置」を考案し、幼エビの養成ならびに成エビの蓄養を可能にした。