著者
高村 健二
出版者
日本陸水學會
巻号頁・発行日
vol.70, no.3, pp.249-253, 2009 (Released:2011-03-28)

固有種に富む琵琶湖の魚類相は、生物学的侵入や生息環境減少などによって脅かされる一方、固有種の他陸水域への放流により、生物学的侵入を生じるという矛盾した状態にある。関東地方河川では、琵琶湖産アユ放流に随伴した侵入により、琵琶湖由来と関東在来の2系統のオイカワが混在していることが、ミトコンドリアcytochrome b遺伝子分析によりわかった。湖産アユ放流は放流河川での翌年のアユ回帰へ貢献しないと報告されているため、放流の停止がアユ資源維持にも生物学的侵入の抑制にも望ましいと考えられた。琵琶湖魚類相を取り巻く矛盾した状態の解消には各々の地域環境に適応した在来生物の保全が鍵となるであろう。

言及状況

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