著者
中善寺 涼 林 宇一
出版者
宇都宮大学農学部
巻号頁・発行日
pp.43-53, 2017 (Released:2019-06-21)

厚生労働省によると、死亡数は今後増加し、2039年に推計で約166万人とピークを迎える。今後死亡数増加に伴って葬儀件数の増加が見込まれ、葬儀では棺などで木材が利用されており、葬儀を通じた木材需要の拡大が期待される。一方で、葬儀における過去や現在の木材利用状況について扱った研究は、山田(2007)などで部分的に記述されているに限られる。そこで本研究では、葬儀における木材利用の中で、ほぼ必須とされる棺と、葬儀だけでなく追善供養にも用いられる卒塔婆について原料の変遷を明らかにすることを目的とする。棺の原料は当初、国産のモミを使用していたが、やがて南洋材などの外材利用が進み、また棺自体も1990年前半以降は中国で主に生産されるようになった。卒塔婆は、全国生産量の60~70%が東京都の多摩地域西部にあるa町周辺で作られており、原料はモミを使用し、当初は地元産を使用していたが、資源の枯渇に伴い周辺県から調達を開始し、現在は国産の他、欧州、中国などから輸入している。

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