- 著者
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進藤 昌
- 出版者
- 秋田県総合食品研究センター
- 巻号頁・発行日
- no.21, pp.8-14, 2019 (Released:2020-09-09)
我々は、これまでに秋田スギを原料としたガソリン代替燃料であるバイオエタノールの製造技術の開発を行い、微粉砕した秋田スギを原料としてセルラーゼと高温発酵性酵母を用いた同時糖化発酵によるバイオエタノール生産システムを開発した。このバイオエタノールの新たな利用法として消毒用エタノールの利用開発を進めている。消毒用エタノールは、食品工場やレストランでの殺菌目的としての使用に加え、さらに香りによるマスキングや癒し効果が期待されるため、高齢者施設などの利用が考えられる。そこで、低濃度エタノールと杉葉抽出成分の相乗効果による殺菌能と香りによる脳波への影響を検討した。その結果、秋田スギ葉の抽出物を含むエタノール溶液に細菌や真菌類に対して強い殺菌効果があることが判明した。さらに、抽出成分に含まれるテルペン類由来の香気成分が、人の脳波に影響を及ぼしリラックス効果を示すことが明らかとなった。