著者
渡邉 誠衛 大野 剛 小林 忠彦 佐渡 高智
出版者
秋田県総合食品研究センター
巻号頁・発行日
no.18, pp.9-16, 2016 (Released:2017-04-28)

我々は、清酒の品質保持と様々な要因との関係を検討している。本報では、ビン内の気相と熟成との関連を検討した結果、清酒への二酸化炭素置換または窒素置換が、貯蔵中のオフフレーバーの発生抑制効果があることが分かった。また、ビンの色と熟成との関連を検討した結果、遮光環境下においても水色のビンにオフフレーバー(硫化物臭、脂肪酸臭等)が強く発生し、銅と高い正の相関があり、添加試験でも再現性が確認できた。
著者
進藤 昌
出版者
秋田県総合食品研究センター
巻号頁・発行日
no.21, pp.8-14, 2019 (Released:2020-09-09)

我々は、これまでに秋田スギを原料としたガソリン代替燃料であるバイオエタノールの製造技術の開発を行い、微粉砕した秋田スギを原料としてセルラーゼと高温発酵性酵母を用いた同時糖化発酵によるバイオエタノール生産システムを開発した。このバイオエタノールの新たな利用法として消毒用エタノールの利用開発を進めている。消毒用エタノールは、食品工場やレストランでの殺菌目的としての使用に加え、さらに香りによるマスキングや癒し効果が期待されるため、高齢者施設などの利用が考えられる。そこで、低濃度エタノールと杉葉抽出成分の相乗効果による殺菌能と香りによる脳波への影響を検討した。その結果、秋田スギ葉の抽出物を含むエタノール溶液に細菌や真菌類に対して強い殺菌効果があることが判明した。さらに、抽出成分に含まれるテルペン類由来の香気成分が、人の脳波に影響を及ぼしリラックス効果を示すことが明らかとなった。
著者
佐々木 康子 渡辺 隆幸
出版者
秋田県総合食品研究センター
雑誌
秋田県総合食品研究センター報告 = Bulletin of the Akita Research Institute of Food and Brewing (ISSN:21856699)
巻号頁・発行日
no.20, pp.37-42, 2018-12

本研究では、市販のいぶりがっこの成分分析を行うことにより成分の特性を明らかにした。また、製造工程における「燻り」の工程の解明のため、熱風乾燥モデル試験を行い、ダイコン重量の変化と乾燥時間について検討した。その結果、同一温度におけるダイコン重量の減少割合は一定であり、乾燥温度が下がるほど乾燥効率が下がることが分かった。
著者
戸松 誠
出版者
秋田県総合食品研究センター
巻号頁・発行日
no.18, pp.17-20, 2016 (Released:2017-04-28)
著者
渡辺 隆幸
出版者
秋田県総合食品研究センター
巻号頁・発行日
no.12, pp.33-46, 2010 (Released:2012-12-06)
著者
高橋 砂織 渡辺 隆幸 畠 恵司
出版者
秋田県総合食品研究センター
雑誌
秋田県総合食品研究センター報告 (ISSN:21856699)
巻号頁・発行日
no.16, pp.1-16,図巻頭1枚, 2014

秋田県では大豆や小豆の栽培が盛んである。その中で秋田県の在来種である「てんこ小豆」は、秋田市雄和地区で古くから栽培され同地区や秋田県内で小豆の代わりに赤飯に多用されている。てんこ小豆は、黒ささげの秋田での名称であり、小粒で黒大豆様の形態をしている。てんこ小豆で作った赤飯は、小豆の赤飯に比べはるかに濃い赤褐色の着色があり、且つ風味が豊である。てんこ小豆は生産量が少ないこと、単価が高いことなどからその消費は伸び悩んでいる。また、てんこ小豆の機能性に関する研究は皆無である。そこで本研究では、血圧調節系として最も解析が進んでいるレニン・アンギオテンシン系(RAS)に注目して、RASの重要な構成要素であるレニン、アンギオテンシン変換酵素(ACE)やキマーゼを標的酵素として、てんこ小豆抽出液の阻害活性について検討した。さらに、培養細胞系を駆使して脂質代謝改善効果作用も併せて検討することで、てんこ小豆の機能性素材としての可能性を探った。てんこ小豆の機能性が明らかになることで、秋田県内での作付け拡大と消費拡大が期待される。
著者
熊谷 昌則
出版者
秋田県総合食品研究センター
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

秋田県ではミョウガの栽培が盛んであるが、ミョウガは食べ過ぎると物忘れしやすいなどといわれることもある。しかしながら、科学的根拠はなく、むしろ、ミョウガ中に含まれる精油成分のα-ピネンは、交感神経の活動を抑制し、リラックス状態を作り出すという報告がある。本研究では、理解、学習、推論など、一連の複雑な認知作業を遂行するために必要な情報を一時的に保持し、管理するためのシステムを指すワーキングメモリに着目して、α-ピネンがワーキングメモリに与える影響について調べるため、前頭前野の脳血流量を簡便に測定し、評価することができる近赤外分光方式にもとづく脳機能イメージング手法を用いた検討を実施した。
著者
大能 俊久
出版者
秋田県総合食品研究センター
雑誌
秋田県総合食品研究センター報告 = Bulletin of the Akita Research Institute of Food and Brewing (ISSN:21856699)
巻号頁・発行日
no.16, pp.25-27, 2014-12 (Released:2015-03-30)

通常玄そばは収穫後貯蔵され、使用する際に製粉されてそば粉となる。その後、小麦粉や水と一緒に捏ねられて生地となり、圧延、裁断されて麺の「蕎麦」となり食される。玄そばは翌年の玄そばが収穫されるまで、1年程度貯蔵された後に使用される場合がある。今回、約1年冷蔵貯蔵した玄そばから調製したそば粉について製麺性と品質を調べ、若干の知見を得たので以下に報告する。