- 著者
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佐々木 毅
- 出版者
- 一般社団法人 日本内科学会
- 雑誌
- 日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
- 巻号頁・発行日
- vol.88, no.12, pp.2499-2506, 1999-12-10
- 参考文献数
- 30
- 被引用文献数
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ヒトパルボウイルスB19 (B19)は,小児の伝染性紅斑(りんご病),成人での急性多発性関節炎,あるいは胎児水腫等を起こす.また,赤芽球障害(Aplastic crisis,赤芽球勞).更には肝障害,急性腎炎,血球貪食症候群発現にも関与しうる.我々は,慢性関節リウマチ(RA)の活動時病変を有する関節滑膜組織において, B19が活性化され,かつB19がTNFα, IL-6らの炎症性サイトカイン産生を惹起することを見出した. B19はRA関節滑膜細胞(SVC)の中でもマクロファージ,芽中心の樹状細胞, T, Bリンパ球に発現し,オートクライン,パラクライン機転で炎症細胞, SVCの活性化と増殖を促すと推定される.この事は自己免疫病(慢性関節リウマチ)発症における免疫系細胞をターゲットとしたB19持続感染の役割を示すものであろう.