- 著者
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濱渦 康範
飯島 悦子
- 出版者
- Japanese Society for Food Science and Technology
- 雑誌
- 日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology (ISSN:1341027X)
- 巻号頁・発行日
- vol.46, no.10, pp.645-651, 1999-10-15
- 被引用文献数
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5
12
リンゴ果実の果肉抽出物およびその画分について,ポリフェノール組成とSDSミセル内のリノール酸の酸化に対する抗酸化活性を調べた.<BR>(1) 果肉抽出物より酢酸エチルで抽出されるポリフェノール画分(画分B)において,主要な成分はクロロゲン酸,(+)-カテキンおよび(-)-エピカテキン,プロシアニジンオリゴマーおよびフロリジンであり,水溶液に残留したポリフェノール画分(画分A)においてはプロシアニジンポリマーが主要成分であった.<BR>(2) リンゴの果肉ポリフェノールにおける主要成分はカテキン類とその重合体であり,中でもプロシアニジンポリマーが占める割合が最も多かった.<BR>(3) 果肉抽出物のポリフェノール濃度と抗酸化活性の関係は標準(-)-エピカテキン溶液のそれと同程度であったが,画分ごとでみると画分Bの活性が画分Aの活性をやや上回る傾向があった.<BR>(4) 抗酸化活性およびDPPHラジカル消去能は,カテキン類よりもプロシアニジンオリゴマーの方が高かった.プロシアニジンポリマーを含む画分はカテキン類および二~三量体のプロシアニジン画分に比べて抗酸化活性が低かったが,DPPHラジカル消去能は最も高かった.