著者
長尾 正嗣
出版者
順天堂大学
雑誌
順天堂医学 (ISSN:00226769)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.45-52, 2001-07-30

高齢社会が到来した今日,わが国の老年期痴呆疾患患者数は約130万人と推定されている.この数は21世紀に入っても増加して2035年には350万人に達すると予想される.アルツハイマー病はその過半数を占めると言われている.今まではアルツハイマー病の人は痴呆症状のため家族や地域社会の人々から誤解を招き,つらい日々を送っていた.痴呆症状が進行してくると介護している家族の負担も増し,医療機関に援助を求めて来院する.この時点では痴呆もかなり進行しており,入院治療などが必要になってくる.笑顔の失われた人々に何が今できるのか,地域でどのようにアルツハイマー病に取り組んでいるのかを紹介する.57歳女性の症例の治療において,ドネペジルを投与しての経過を紹介し,アセチルコリンエステラーゼ阻害薬はあくまでも病態に作用する対症療法であり,一時的に認知機能を改善するだけであり,その後各国での治療も参考にした経過を報告し,今後地域におけるアルツハイマー病の早期診断早期治療が必要であることを述べる.

言及状況

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