著者
佐々木 惠雲
出版者
一般社団法人日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.232-233, 2005-03-01

日本仏教は「葬式仏教」と化していると批判されて久しい.しかし最近,一般の人々の間で「葬式仏教」のイメージと葬儀や中陰,年忌法要のもつ重要性が混同されているように感じられる.確かに,いわゆる「葬式仏教」は仏教の本質とはまったくかけ離れたもので,仏教の教えそのものを人々に伝えることが大切であることはいうまでもない.しかし葬儀や法要を単なる儀式ととらえ,意味がないと捨て去るのではなく,これらのもつ新たな可能性や重要性を見直す時期に来ているのではないだろうか.最近,グリーフケアが世界中で注目されている.グリーフとは,愛する人や近しい間柄の人との死別に対する反応である.しばしば悲しみのあまり,不眠や食欲不振,不安感などの症状が現れることもあるが,この反応は誰にでも起こりうる正常な反応で,普通は自然に消滅していくものである.ところが長期間経過しても悲しみから抜け出せずうつ病になる場合や,喪失直後はそれほど深いグリーフを示さず,何年か経てうつ病を発症することもある.

言及状況

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こんな論文どうですか? グリーフケア : 仏教のもつ可能性(佐々木惠雲),2005 http://id.CiNii.jp/8y07B 日本仏教は「葬式仏教」と…

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