著者
後藤 嘉宏
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.53, no.11, pp.534-539, 2003-11-01

ディジタル化時代の新聞では,記事のデータベース利用が増え,また速報記事が増すことで,記事が価値から離れ,事実の報道が尊ばれる。データベース利用される記事は,新聞紙面上の記事と異なり,何面に記事があるか,見出しの大きさがどの位あるかといった価値づけから解放される。その意味で検索者が主体的に個々の記事に臨める。しかしこれらの記事は,記事の置かれた背景や文脈を失う。各種データベースが充実しているディジタル化時代においても,新聞切り抜き業務が存在している理由も,このような記事の置かれた文脈・背景を重視し,さらにそれらを切り抜きのイメージ情報によって思い出す点に関係しよう。

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