著者
釣賀 一二三
出版者
The Mammal Society of Japan
雑誌
哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.119-123, 2008-06-30
被引用文献数
12

これまでに北海道で試みられたヒグマの個体数推定は,その推定値に大きな誤差を含むものであった.現在,より精度の高い推定を行うために,ヘア・トラップ法を応用することが可能かどうかの検討を実施しており,本稿では検討の概要とその過程で明らかになった課題について述べる.ヘア・トラップ法を用いた個体数推定法の本格的な検討に先立って行った3カ年の予備調査では,誘因餌を中央につり下げて周囲に有刺鉄線を張ったヘア・トラップによって試料採取が可能なこと,試料の保管には紙封筒を用いて十分な乾燥をした後に保管する必要があることなどが明らかになった.さらに,分析対象の遺伝子座の選択に関する課題の整理が行われた.その後の3年間の本格調査では,ヘア・トラップ配置のデザインと構造を検討するために,メッシュ単位で29箇所あるいは39箇所に設置したヘア・トラップの適用試験を実施した.この結果については現在解析途中であるものの,ヘア・トラップを設置する場所の均一性を検証することや,ヘア・トラップの設置密度の基準となるメッシュの適切な大きさに関する検討の必要性が課題としてあげられた.<br>

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こんな論文どうですか? 北海道渡島半島地域におけるヘア・トラップ調査の実施例(釣賀 一二三),2008 https://t.co/PFlEteU0wO これまでに北海道で試みられたヒグマの個体数推定は,その推定値に大きな誤差を含むものであった.現在,…
こんな論文どうですか? 北海道渡島半島地域におけるヘア・トラップ調査の実施例(釣賀 一二三),2008 https://t.co/1ewNItPhxI

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