著者
青木 孝之
出版者
Japanese Society of Mycotoxicology
雑誌
マイコトキシン (ISSN:02851466)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.55-63, 2005-01-31
参考文献数
22
被引用文献数
2

ムギ類赤かび病原フザリウム属菌の内, <i>F. graminearum</i>種複合体の分類の最近の動向について既に公表された論文等に基づいて解説した. <i>Fusarium graminearum</i>種複合体には以前より, グループ1とグループ2の2つの個体群が知られており, 主にコムギ等のcrown rotを引き起こすグループ1個体群は比較形態学的および分子系統学的解析, さらには交配実験によりホモタリックのグループ2とは別個の種であることが明らかにされ, ヘテロタリックの<i>F. pseudograminearum</i> (有性時代 : <i>Gibberella coronicola</i>) として記載された. グループ2個体群の地理的に多様な菌株についても, 多数の遺伝子領域に基づいて分子系統学的解析が進み, それが異なる系統群から構成されることが明らかにされた. 表現形質ではこれら系統群の識別は困難であり, これまでlineage (系統) 1~9と番号で呼ばれていたが, 最近になり系統7に対応する<i>F. graminearum</i> (狭義) に加えて, 8つの新種が個々の系統群に特異的な遺伝子DNAの塩基配列を基礎として記載された.

言及状況

外部データベース (DOI)

Twitter (2 users, 2 posts, 0 favorites)

こんな論文どうですか? ムギ類赤かび病菌の分類の現状(青木 孝之),2005 http://t.co/evXn6G9LF3 ムギ類赤かび病原フザリウム属菌の…

収集済み URL リスト