著者
Eiji Tanaka
出版者
日本マイコトキシン学会
雑誌
マイコトキシン (ISSN:02851466)
巻号頁・発行日
vol.65, no.1, pp.39-43, 2015-01-31 (Released:2015-04-22)
参考文献数
29

Rice false smut fungus (Villosiclava virens) causes smut-like disease on the panicles of rice plants. The disease development process after the booting stage has been revealed by artificial inoculation of the fungus. However, its life cycle and infection route in the field before the booting stage remain unclear. Here, these parameters are studied by referring to previous studies, morphological features of the fungus, and life cycles of phylogenetically related-fungi.
著者
玉那覇 康二
出版者
マイコトキシン研究会
雑誌
マイコトキシン (ISSN:02851466)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.55-65, 2013-01-31
参考文献数
21

沖縄県は,日本列島の南に位置しており亜熱帯気候による自然毒食中毒は,気候や自然環境が反映されており,全国と異なっている.<br> 沖縄県で発生している2001年から2010年までの 10年間の食中毒事例を見ると,自然毒食中毒の年平均は24%であり,更に自然毒食中毒のうち,動物性自然毒食中毒が91%と大半を占めている.<br> 動物性自然毒のほとんどがサンゴ礁に生息する魚介類によるシガテラ食中毒である.シガテラ以外にも,ウリ科植物によるククルビタシン中毒,熱帯性キノコであるオオシロカラカサタケや麻薬成分を含有する幻覚性キノコによる食中毒も発生しており,これらについても事例を紹介する.
著者
國武 絵美 小林 哲夫
出版者
日本マイコトキシン学会
雑誌
マイコトキシン (ISSN:02851466)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.85-96, 2016-01-31 (Released:2016-02-16)
参考文献数
91

糸状菌は植物バイオマス(リグノセルロース)に由来する低分子の糖を細胞表層であるいは細胞内に取り込んだ後に感知し,シグナル伝達機構を介してセルラーゼやヘミセルラーゼ遺伝子の発現を転写レベルで活性化する.一方,資化しやすいグルコース等の糖の存在時にはカーボンカタボライト抑制機構が働き,転写が抑制される.このメカニズムを理解することは植物バイオマス分解酵素の効率的な生産に極めて重要である.主にAspergillus属,Trichoderma reesei,Neurospora crassaにおいてゲノムワイドな解析が行われ,遺伝子破壊株ライブラリの利用やセルラーゼ遺伝子と同時に制御される未知遺伝子の機能解析などにより,複数の転写制御因子が単離された.またその上流のシグナル伝達カスケードについても研究が進められており,セルロース性シグナルに対する応答が光や既存の調節経路により微調整されることなども示されている.このレビューではリグノセルロース分解酵素遺伝子の発現制御に関わる転写因子の機能,誘導物質の認識及びそのシグナルの伝達などの遺伝子発現誘導メカニズムに関する研究を概括した.
著者
亀井 克彦 落合 恵理
出版者
日本マイコトキシン学会
雑誌
マイコトキシン (ISSN:02851466)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.47-51, 2008 (Released:2008-04-01)
参考文献数
6
被引用文献数
1 1

屋内環境中には多種多様な真菌が生息している。これらの真菌の多くはマイコトキシンを産生するが、マイコトキシンとヒト疾患との関連性については未解明の点が多い。例外としては、近年、Aspergillus fumigatus によって産生されるグリオトキシンがアスペルギルス症の発症に関与していることが明らかにされた例がある。Stachybotrys chartarum は住環境内でも見受けられるほど広範に分布する真菌である。この真菌の吸入によって乳児特発性肺出血が惹起される可能性が報告されているが、その詳細は未だ明らかになってはいない。S. chartarum はトリコテセンのような種々の二次代謝産物を産生することから、我々は本菌の反復吸入がヒトの肺に何らかの影響を与えるものと考えた。S. chartarum を長期間吸入することによる影響を明らかにするために、我々は2週間に3回の頻度で本菌の胞子をマウスに経気管的に反復投与した。その結果、病理組織学的検討によってマウスで肺高血圧が惹起されることが明らかになった。これらのマウスでは肺動脈壁が肥厚し、内腔の狭窄や閉塞が生じていた。さらに、右室圧の上昇も確認された。トリコテセン産生の有無が異なるS. chartarum の株を用いた検討では、トリコテセン産生株を投与した場合で肺高血圧が惹起され、肺動脈病変の形成にはトリコテセンが関与する可能性が示唆された。このことについては今後更なる検討を行う必要がある。
著者
作田 庄平
出版者
日本マイコトキシン学会
雑誌
マイコトキシン (ISSN:02851466)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.217-224, 2013-07-31 (Released:2013-12-10)
参考文献数
30

アフラトキシン汚染防除に有効な抗カビ剤は無く,これまで効果的なアフラトキシン汚染防除法は存在しなかった.しかし最近,アフラトキシン非生産株を圃場に施用し,生産株と拮抗させることでアフラトキシン汚染を防除するバイオコントロールの手法が実用化された.また,アフラトキシン生産阻害物質を生産する細菌を用いる手法の有用性も示されている.本稿では,バイオコントロールによるアフラトキシン汚染防除の有用性と問題点について概説する.
著者
加藤 直樹 徳岡 昌文 篠原 靖智 小山 泰二 長田 裕之
出版者
日本マイコトキシン学会
雑誌
マイコトキシン (ISSN:02851466)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.197-206, 2014-07-31 (Released:2014-10-15)
参考文献数
36
被引用文献数
1

麹菌Aspergillus oryzaeは我が国の伝統的な発酵食品の生産には欠かせない微生物であり,長い年月をかけた育種により,その安全性が確立されている.本菌はアフラトキシン生産菌A. flavusから派生した家畜種と考えられており,その進化的な近縁関係は両種のゲノム解読によっても裏付けられている.我々人類にとって対極とも言える両種の決定的な相違点として,二次代謝産物生産能を挙げることが出来る.両種のゲノム中には共通して多数の二次代謝系遺伝子が存在しているにも関わらず,A. oryzaeは一切,アフラトキシンを生産せず,報告のある二次代謝産物もごく少数である.生合成に関わる遺伝子の変異や欠損,転写抑制といった遺伝的要因の蓄積によるマイコトキシン生産能の喪失は,A. oryzaeがA. flavusから家畜化して生じた種であるという概念によく合致している.そういったA. oryzaeにおけるマイコトキシン生産を回避するための遺伝的要因「セーフガード」に焦点を当て,我々が最近明らかにしたシクロピアゾン酸(CPA)生産に対するセーフガードを中心に解説する.小胞体Ca2+-ATPaseに対する強力な阻害物質であるCPAはA. oryzaeの一部の菌株における生産が報告されている.その生合成遺伝子クラスターには,A. flavusでは欠失している遺伝子が含まれている.一見すると従来の家畜化の概念とは相反する現象ではあるが,種々の解析の結果,その遺伝子はCPAを2-オキソCPAに変換することで毒性を和らげる役割を担っていることが明らかとなった.麹菌ゲノム中には,その安全性を担保するための様々な遺伝要因が蓄積していることが改めて示唆された.
著者
中村 伸
出版者
日本マイコトキシン学会
雑誌
マイコトキシン (ISSN:02851466)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.101-104, 2000-07-31 (Released:2009-08-04)
参考文献数
16

スギ花粉症などの即時型アレルギー反応は,抗原(スギ花粉症では,スギ花粉中に含まれる塩基性蛋白質のCryj.IならびにCryj.IIが抗原となる)に対する特異的IgE抗体の産生が原因となる免疫異常で,近年こうしたアレルギー疾患が急増し,全人口の約20%が何らかのアレルギー症に悩まされている.アレルギー疾患は,欧米や日本等の"先進国"で多い事から"文明病"的位置づけにあるが,野生動物のサル類でもスギ花粉症が見られる.我々は準野性状態で飼育されているニホンザルの中に,ヒトと同様なスギ花粉症を見い出し,それを契機にサルモデル系でのIgE産生応答やアレルギー反応に関する研究を進めている.その過程で,ヒトの場合,過去数十年間の衛生環境の変化(原虫や寄生虫感染の低下など)が細胞性免疫応答(Th1)/液性免疫応答(Th2)のインバランス(Th2亢進)を惹起し,抗原特異的IgE抗体の産生亢進→花粉症・アレルギー疾患の増大要因となっていることを明らかにした.
著者
後藤 哲久
出版者
日本マイコトキシン学会
雑誌
マイコトキシン (ISSN:02851466)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.57-62, 2016-01-31 (Released:2016-02-16)
参考文献数
18

Aspergillus section Flavi にはアフラトキシン産生菌,非産生菌が含まれていることが知られている.しかし,アフラトキシン産生菌と,非産生菌あるいは分類的には産生菌でありながら産生能を持たない(失った)菌との関係,あるいはカビは何故アフラトキシンを産生するのか,という疑問にはまだ明確な答えは見つかっていない.
著者
Haruhisa Suga
出版者
日本マイコトキシン学会
雑誌
マイコトキシン (ISSN:02851466)
巻号頁・発行日
vol.65, no.2, pp.121-130, 2015-07-31 (Released:2015-09-01)
参考文献数
49

Fumonisin, a mycotoxin produced by some members of Fusarium fujikuroi species complex, causes swine pulmonary edema and equine leukoencephalomalacia. Clustering of the genes involving fumonisin biosynthesis in the genome have been revealed. The FUM cluster poses many questions in regard to the process obtained by Fusarium and its evolution. In this mini review, fumonisin characteristics are described and the role of fumonisin for the producing fungi and the evolution of the FUM cluster were discussed.
著者
横田 栄一
出版者
日本マイコトキシン学会
雑誌
マイコトキシン (ISSN:02851466)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.119-123, 2004 (Released:2008-07-01)
参考文献数
13

近年,食品の国際規格策定の場であるFAO/WHO 合同食品規格委員会(コーデックス委員会)において,マイコトキシンに関する議論が活発化しており,コーデックス規格が順次設定されてきている.また,平成13 年2 月にはFAO/WHO 合同食品添加物専門家会議(JECFA)において多種にわたるマイコトキシンのリスク評価が行われており,今後,国際的な基準策定に向けた取り組みが進むものと思われる.この様な状況の中,我が国においても小麦のデオキシニバレノール及びりんごジュース中のパツリンについて規制を行ったところである.今後も健康被害を未然に防止するために,我が国における各種マイコトキシンの実態調査を行い,その結果等を踏まえて規格基準を整備していくことが重要と考えられる.
著者
青木 孝之
出版者
Japanese Society of Mycotoxicology
雑誌
マイコトキシン (ISSN:02851466)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.55-63, 2005-01-31
参考文献数
22
被引用文献数
2

ムギ類赤かび病原フザリウム属菌の内, <i>F. graminearum</i>種複合体の分類の最近の動向について既に公表された論文等に基づいて解説した. <i>Fusarium graminearum</i>種複合体には以前より, グループ1とグループ2の2つの個体群が知られており, 主にコムギ等のcrown rotを引き起こすグループ1個体群は比較形態学的および分子系統学的解析, さらには交配実験によりホモタリックのグループ2とは別個の種であることが明らかにされ, ヘテロタリックの<i>F. pseudograminearum</i> (有性時代 : <i>Gibberella coronicola</i>) として記載された. グループ2個体群の地理的に多様な菌株についても, 多数の遺伝子領域に基づいて分子系統学的解析が進み, それが異なる系統群から構成されることが明らかにされた. 表現形質ではこれら系統群の識別は困難であり, これまでlineage (系統) 1~9と番号で呼ばれていたが, 最近になり系統7に対応する<i>F. graminearum</i> (狭義) に加えて, 8つの新種が個々の系統群に特異的な遺伝子DNAの塩基配列を基礎として記載された.
著者
大城 直雅
出版者
日本マイコトキシン学会
雑誌
マイコトキシン (ISSN:02851466)
巻号頁・発行日
vol.68, no.1, pp.49-53, 2018-01-31 (Released:2018-02-27)
参考文献数
22

海産生物毒(マリンバイオトキシン)による食中毒は,件数は少ないながらも毎年発生し,死亡者も出ている.一方,毒化したプランクトン捕食性二枚貝による食中毒の報告は極めて少ない.本稿では,貝毒を中心とした海産生物毒による食中毒と対策(規制)の概要について国内外の状況について概説し,検査法と課題について紹介したうえで,「食品の分析と検査」について議論した.
著者
高橋 治男
出版者
日本マイコトキシン学会
雑誌
マイコトキシン (ISSN:02851466)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.133-138, 2005 (Released:2006-05-19)
参考文献数
49

1960年代に飼料用落花生粕に発見されたアフラトキシン (AF) はその発がん性や毒性の強さ, また, 汚染食品の広範さなどからマイコトキシン研究の中心となり, 食品などにおける汚染実態, 産生カビの分類・同定などについて, 夥しい報告が蓄積されてきた. この報告では, AF汚染, 中でも落花生とコーンを中心に, 汚染とその産生カビについて近年の研究成果を交え紹介する. また, 近縁化合物で同様に発がん性が知られるステリグマトシスチンについても概説する.
著者
成田 紀子 鈴木 明子 菊池 裕 一戸 正勝 池渕 秀治 田中 東一 沢田 純一
出版者
Japanese Society of Mycotoxicology
雑誌
マイコトキシン (ISSN:02851466)
巻号頁・発行日
vol.1992, no.36, pp.39-44, 1992-12-31 (Released:2009-08-04)
参考文献数
8

Seeds of Job's tears (Coix lachryrna jobi var. ma-yuen) are commonly used as herbal drug and health food in Japan, but mycotoxin contamination such as aflatoxin and zearalenone (ZEN) on Job's tears products is often problematic. Thus, a mycological examination on 35 samples of raw seed materials and commercial products of Job's tears was carried out. Aspergillus flavus, Curvularia spp., Bipolaris coicis, Fusarium pallidoroseum (=F. semitecturn), F. equiseti and F. moniliforme were detected as predominant fungi in the samples. Of the Fusarium species isolated, F. pallidoroseurn was most dominant. ZEN producing ability of these Fusariunn isolates on seeds of Job's tears in cultures was measured by HPLC analysis. The isolates of F. pallidoroseum, F. equiseti and F. moniliforme produced ZEN, with maximum yields of 55, 244 ng/g, 137 ng/g and 54 ng/g, respectively. Among tested 12 samples of the commercial Job's tears products, ZEN contamination was found in 3 hulled seeds (21; 25; and 44 ng/g), 2 crucked products (6; 29 ng/g) and 3 powdery products (23; 46 and 116 ng/g).
著者
Shih D.Y-C.
出版者
Japanese Society of Mycotoxicology
雑誌
マイコトキシン (ISSN:02851466)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.4, pp.110-117, 2006

Taiwan is located in the subtropical zone, and the typical weather is hot and humid which benefit the growth of fungi. Mycotoxins are the toxic metabolites produced by some species of fungi genera such as Aspergillus, Penicillium and Fusarium. Surveys of mycotoxins in market foods have been implemented by Bureau of Food and Drug Analysis (BFDA) in Taiwan for several years. The results were used as database to establish related regulations by Department of Health (DOH) and provided for local health authorities to prevent unsafe food products from being consumed. Aflatoxin, ochratoxin A, fumonisin, deoxynivalenol (DON), patulin and T-2 toxin were tested and surveyed in various kinds of foods during the past ten years. From 1997 to 2006, a total of 1, 056 peanut product samples were tested and 339 samples (32.1%) contained aflatoxins. Among them, 65 samples which contained aflatoxins above 15μg/kg exceeded action levels of Taiwan. According to the results of the surveys in 2005 and 2006, most of violative products were imported from a foreign country. In 2002, aflatoxin M<SUB>1</SUB> was tested in 113 dairy products including fresh milk, milk powder, infant formula and drinking yogurt. Most of them contained a trace of aflatoxin M<SUB>1</SUB>, but none exceeded action levels of Taiwan. In 2000, 2003, 2005 and 2006, 441 samples were collected and examined for ochratoxin A, and 68 samples (15.4%) contained less than 5μg/kg, including grain products, wine, coffee products and so on. In 2002, 76 corn products were tested and 11 samples (14.5%) contained fumonisins (B<SUB>1</SUB>+B<SUB>2</SUB>) ranging from 0.05 to 0.16mg/kg. The survey of DON in rice, flour, noodle, corn, oat and other products was implemented in 2004. One hundred and fifty samples were tested and the results showed that 3 samples contained DON ranging from 0.11 to 0.45mg/kg. In 1999 and 2005, 122 commodities including baby juice, juice drink, pure apple juice, mixed juice and apple paste were collected and tested for patulin. The results showed that 13 apple juices contained patulin ranging from 8.6 to 39.9μg/kg. In the survey of T-2 toxin in 2005, 31 food products were tested and 4 samples (12.9%) contained T-2 toxin ranging from 0.7 to 8.9μg/kg. The results showed that the violative rate of aflatoxins in imported peanut products grew in recent years. Other mycotoxins including ochratoxin A, fumonisins, DON, patulin and T-2 toxin were detected in some food commodities, but the contamination levels were pretty low.
著者
児玉 基一朗 赤木 靖典 髙尾 和実 柘植 尚志
出版者
Japanese Society of Mycotoxicology
雑誌
マイコトキシン (ISSN:02851466)
巻号頁・発行日
vol.65, no.1, pp.57-62, 2015

Mycotoxins and phytotoxins are fungal secondary metabolites that exert toxicity against complex animals (including humans) and plants, respectively. They were originally categorized as distinct toxic chemicals; however, this is now considered an inappropriate classification for toxins from plant pathogenic fungi. Fumonisins (mycotoxin) and AAL-toxins (phytotoxin) are produced by <i>Fusarium</i> and <i>Alternaria</i> pathogens, respectively, and they share a common chemical structure and biological activity. It is therefore possible that the biosynthetic pathways of the two toxins have a common evolutionary origin. Comparative studies are therefore important to determine the molecular mechanisms behind the evolution and diversification of fungal secondary metabolites. Recent development of fungal genomics and functional analysis of fungal genes could help shed light on the relationship between mycotoxins and phytotoxins. Such studies will contribute to both basic and applied research in a variety of scientific and technical fields.
著者
坪内 春夫 中島 正博 山本 勝彦 宮部 正樹
出版者
Japanese Society of Mycotoxicology
雑誌
マイコトキシン (ISSN:02851466)
巻号頁・発行日
vol.1992, no.36, pp.45-48, 1992

The effects of the elimination of fungi and mycotoxins in imported green coffee beans were examined. Each sample was divided into 3 types (22 samples each) ; 1) green coffee beans before handpicking, 2) good beans after handpicking, 3) bad beans after handpicking. All the samples were tested for both fungi and contaminations of ochratoxin-A (OCT-A). OCT-A was detected in 11 out of 22 bad samples (50%, x=6.14 ppb, range 0.08-72.7 ppb), in 7 out of 22 good samples (32%, x=0.49 ppb, range 0.08-7.67 ppb), and in 9 out of 22 samples before handpicking (41%, . x=0.79 ppb, range 0.16-7.20 ppb), respectively. Levels of OCT-A and numbers of fungi in green coffee beans were decreased by the handpicking method.
著者
安元 健
出版者
日本マイコトキシン学会
雑誌
マイコトキシン (ISSN:02851466)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.73-84, 2013-01-31 (Released:2013-04-25)
参考文献数
10

我が国ではほとんどの魚介毒の検出・定量にマウス毒性試験が用いられる.欧米では,動物愛護に加えて高特異性,高感度,高精度,迅速化を目指した代替法が追求され,実用性の検証が進められている.すでに EU は貝毒の検査を LC-MS と HPLC で実施することを決定した.シガテラ魚類中毒では我々が提案する LC-MS 法機器分析に加えて,レセプター結合試験や ELISA 等の開発が進んでいる.古くから知られていながら未解明な中毒として,横紋筋融解症を紹介する.発生地域はヨーロッパ,北米,南米,アジアにまたがり,原因生物も海水魚,淡水魚,ザリガニと多様である.我が国ではアオブダイ中毒が代表例である.

1 0 0 0 OA 魚の真菌症

著者
畑井 喜司雄
出版者
日本マイコトキシン学会
雑誌
マイコトキシン (ISSN:02851466)
巻号頁・発行日
vol.1986, no.24, pp.5-8, 1986-12-30 (Released:2009-08-04)

我が国の真菌症に関する研究はまだ歴史が浅く,しかも研究者が少ないために遅々として進展していない現状にある.一方,近年その理由は明らかではないが,新しい真菌症が次から次へと見出されている.魚の真菌症起因菌は分類学的に変形菌類および担子菌類を除く全ての菌類に属しているが,重要な疾病の原因菌が分類学的に明確にされていないものもある. 本題は「魚の真菌症」であるが,魚という場合には通常魚介類,すなわちエビ類,カニ類,貝類,またときには,は虫類のスッポンなど食用上重要とされる水族動物のことを意味することが多い.ここではその概念に従い,我が国で発生が確認された養殖および天然魚介類の真菌症を中心に紹介する. なお,これまで魚介類の真菌症原因菌として報告された主たる菌類は表1に示した通りである.