著者
名倉 泰三 八村 敏志 上野川 修一
出版者
JAPAN BIFIDUS FOUNDATION
雑誌
腸内細菌学雑誌 = Journal of intestinal microbiology (ISSN:13430882)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.7-14, 2004-01-01

アレルギー発症と腸内細菌叢に関する疫学的調査から, ヒト腸内に生息する<i>Bifidobacterium</i> や<i>Lactobacillus</i> などの乳酸菌がアレルギーの予防に寄与することが推測される. 乳酸菌はTh1免疫応答を亢進させることで, アレルギー発症に関わるTh2免疫応答を抑制することが報告されている. 難消化性オリゴ糖の摂取は, 腸内に住み着いている乳酸菌, 特に<i>Bifidobacterium</i> を増殖させることがよく知られている. 我々は, オリゴ糖の一種であるラフィノースがTh1/Th2応答に与える影響について, 卵白アルブミン特異的T細胞レセプタートランスジェニックマウスを使って調べた. トランスジェニックマウスへの卵白アルブミン経口投与によって誘導された腸管膜リンパ節細胞のIL-4産生や血中IgE上昇は, ラフィノース添加食によって有意に抑制された. ラフィノース食によって培養可能なマウス盲腸内細菌の菌数変化が認められなかったため, この免疫応答の変化に関係する腸内細菌の種類は不明であるが, ラフィノースの摂取は, 経口抗原によって誘導される不利益なTh2応答を抑制することが示唆された.

言及状況

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乳酸菌の増加には、外部から菌そのものを採るより、体に定住している乳酸菌の増加を図るほうが効果が大きい。ということで整腸にはビオフェルミンよりオリゴ糖。腸内環境の改善で、Th/Th2の免疫系のバランスが整い、アレルギーも軽快されるとか。http://t.co/4WtapMOhdg

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