著者
増成 和敏
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.59, no.1, pp.91-100, 2012-05-31
参考文献数
16
被引用文献数
1

本論は,松下電器における真野善一による初期のデザイン開発と製品デザインについて,主として意匠公報と文献史料より,以下の内容を明らかにした。<br>1)真野の意匠登録は,冷蔵庫,扇風機,蓄電池,ラジオ受信機,テレビ受像機から宣伝用バスまで多岐に亘っている。<br>2)真野は,松下電器に入社した1951(昭和26)年 7月から企業内デザイナーとして自ら多くのデザイン開発を行い,1955(昭和30)年末までに,確認できただけでも183件の意匠登録を取得している。<br>3)真野の意匠登録は,松下電器の多くの分野で製品化され,デザイン成果を上げた。<br>4)真野が松下電器入社後,最初にデザインしたとされる扇風機の意匠登録上の考案者は真野ではないが,デザインは真野によるものであると推定する。

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