- 著者
-
高橋 保雄
森田 昌敏
- 出版者
- 一般社団法人 日本環境化学会
- 雑誌
- 環境化学 : journal of environmental chemistry (ISSN:09172408)
- 巻号頁・発行日
- vol.7, no.3, pp.495-506, 1997-09-01
- 参考文献数
- 16
- 被引用文献数
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水道水中のハロゲン化消毒副生成物31種類を同定確認した。そこで, ハロゲン化消毒副生成物31種類と標準品が入手できたハロプロピオン酸3種類, 合計34物質のGC/ECDによる多成分系統分析法を確立することにした。そして, キャピラリーカラムGC条件, 抽出溶媒, pH値, 塩濃度について検討した。<BR>試料水中の残留塩素をアスコルビン酸で除去後, 硫酸または水酸化ナトリウムでpH値を6.0以下にし, さらに塩化ナトリウムで過飽和にして塩析した。ヘキサン抽出 (10ml×2) し, その後水溶液を硫酸で強酸性にして, MTBE抽出 (2.5ml×2+10ml) で, 両抽出液にハロゲン化消毒副生成物を抽出した。<BR>その内, 両抽出液に抽出された揮発性ハロゲン化消毒副生成物をキャピラリーカラムGC/ECDで定量した。またMTBE抽出液に抽出された不揮発性消毒副生成物はジアゾメタンでメチル化後, キャピラリーカラムGC/ECDで定量した。<BR>この分析法の回収率はクロロアセトアルデヒド以外の揮発性ハロゲン化消毒副生成物では75.6~118.0%であり, 不揮発性ハロゲン化消毒副生成物では79.6~142.0%であった。定量下限値はクロロアセトアルデヒドで0.2μg/l, それ以外の揮発性ハロゲン化消毒副生成物で0.1μg/lであった。またクロロ酢酸・α-クロロプロピオン酸で0.3μg/l, ジブロモクロロ酢酸で0.5μg/l, トリブロモ酢酸で0.7μg/l, それ以外の不揮発性ハロゲン化消毒副生成物で0.1μg/lであった。また変動係数は揮発性ハロゲン化消毒副生成物では3%以下, ジブロモクロロ酢酸では10%, トリブロモ酢酸では22%, それ以外の不揮発性ハロゲン化消毒副生成物では約5%であった。