著者
黒崎 篤
出版者
紙パルプ技術協会
雑誌
紙パ技協誌 (ISSN:0022815X)
巻号頁・発行日
vol.67, no.3, pp.272-275, 2013-03-01

コグネックスはこの10年間,新しい欠陥検査システムのあり方を提案してきた。<BR>1つは欠陥判定(分類)などの検査システム本体の機能に関連した新たな運用にあり,もう1つは欠陥検査システムと連携した高精度なワインダー・コントロールやモニタリング・システムとの同期など,検査システムの新たな連携および拡張である。<BR>今回,これまでの検査システムの進化や最近の試みなどに触れると同時に,今後の欠陥検査システムの進んでいく方向性について展望を述べる。<BR>1999年にリリースした欠陥検査システム「スマート・ビュー(SmartView)」をもって,本格的に国内紙パルプ業界に欠陥検査システムの供給を始めている。それまでアナログ検査システムが主流の中,「デジタル処理による欠陥検出」や「画像処理による欠陥判定」の概念を持ち込んだシステムである。<BR>「スマート・ビュー」の特長は,「デジタル画像処理による欠陥判定」にあるが,同時に,その検査結果をいかに活用するかという観点から,「プロセス改善」や「生産性の向上」に寄与するスマート・ビュー関連製品も開発してきた。ライン・シンクロナイゼーション,スマートシステム等,本文に詳しく紹介する。<BR>今後の展望としては,従来の欠陥検査システムが使ってきたラインCCDカメラとは異なるタイプのセンサとの連携がより一層強化されることになるだろう。異なるタイプのセンサとは,1つはエリアCCDカメラであり,モニタリング・システムのカメラ(SAカメラ)やコグネックスの汎用画像処理センサ(In―Sight)などである。もう1つはプロセスに設置されている計測機器関係で,その情報を欠陥検査システムに取り込むことで,欠陥との関連性が把握でき,欠陥発生の原因究明の強化になるほか,検査システムが単に欠陥情報を持ったシステムということだけではなく,総合的な品質情報を管理するシステムへと変化していくことになろう。

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