- 著者
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坂井 妙子
- 出版者
- 山野美容芸術短期大学
- 雑誌
- 山野研究紀要 (ISSN:09196323)
- 巻号頁・発行日
- vol.4, pp.25-36, 1996-03-25
豪華なフルコースがでる披露宴と三段重ねのケーキ,友人達のかける花吹雪に見送られてヨーロッパへハネムーンという結婚式のイメージは今では西洋だけでなく日本でさえ当たり前となっているが,結婚披露宴やハネムーンにまつわるこのような習慣は,実は意外に新しく19世紀末イギリスで確立した。そしてこの習慣の確立には中産階級が大きく関与したと考えられる。本論文ではヴィクトリア朝中産階級の経済力の向上,階級意識の変化および19世紀末に本格化したコマーシャリズムと技術革新が現代の結婚式の基礎をつくった,という視点から19世紀イギリス中産階級の結婚式を解釈する。カップルへの贈り物,結婚披露宴,ハネムーンに現われるヴィクトリア朝中産階級の価値観を考察すると共に,現代の贅沢ではあるが画一化された結婚式のルーツを探る。