- 著者
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村松 英子
- 出版者
- 山野美容芸術短期大学
- 雑誌
- 山野研究紀要 (ISSN:09196323)
- 巻号頁・発行日
- vol.6, pp.67-78, 1998-03-25
桃山期の美術作品の中に,南蛮屏風がある。異国の風俗,文化を垣間見ることができるこの美術作品は,特異な服装の異国人の姿が見られる。当時世界的に,圧倒的な力を誇っていた貿易大国ポルトガルは,隣国のスペインがポルトガル王を兼ねていたという史実から,スペインの影響を受けていたということが推察できよう。さらにそのスペインは,イスラムの影響を受けていたのである。ヨーロッパにおいてこの地にだけ,実にエキゾチックな文化が花開いたことと,南蛮人の特異な服装は,イスラムの影響と複雑なイベリア半島情勢によって生まれたものであることが考察された。