著者
高砂 美樹
出版者
山野美容芸術短期大学
雑誌
山野研究紀要 (ISSN:09196323)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.79-87, 2001-02-25

本稿では,日本の近代心理学にとって祖というべき元良勇次郎の神経概念について論じた。まずこれまでの神経伝達理論の概略をまとめたが,その枠組においては元良勇次郎ならびにWilhelm Wundtの神経伝達の考え方はどちらも旧式なものであった。特に元良の波動の理論を応用した研究は,実験心理学の歴史においても特異なものであった。元良勇次郎が神経伝達の解明にこだわった理由と,神経の理解が心理学へ及ぼす影響についても論じた。

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