著者
中村 仁志
出版者
山口県立大学
雑誌
山口県立大学看護学部紀要 (ISSN:13430904)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.77-83, 1999-03

注意欠陥/多動性障害(ADHD)は, これまで微細脳機能障害, 多動性障害, 学習障害などとも呼ばれてきた障害であり, DSM-III-Rにおいて, 行動面に注目し定義された診断カテゴリーである。行動の特徴には不注意, 多動, 衝動的行動がある。注意欠陥/多動性障害の子どもたちと接していると自己評価の低さを随所に認める。こうした問題行動に起因すると思われる自己評価を回復するために, 彼らは遊戯療法場面であたかも自分の多動性や衝動性をコントロールしようとすることをテーマとした遊び(以下コントロール遊び)を展開することがある。Aくんは学校の規則や社会の決まりが守れない, 衝動的な行動が目立つことで相談に訪れた子どもである。我々は彼との遊びを通して, 彼の自己評価の低い一面を見た。彼は遊びの中で, 彼が投影されてるのであろう"パジェロちゃん"というキャラクターを用い, 自己評価を回復するために"コントロール遊び"を展開した。"コントロール遊び"を繰り返すことは, 衝動コントロールの感覚をつかみ自分の機能を高める訓練であり, 自己評価を回復するためのロールプレイであると考えられた。

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こんな論文どうですか? <症例>注意欠陥/多動性障害の子どもとの関わり : 多動や衝動をめぐる遊びについて(中村 仁志),1999 https://t.co/6vdpQwqI4M
こんな論文どうですか? <症例>注意欠陥/多動性障害の子どもとの関わり : 多動や衝動をめぐる遊びについて(中村 仁志),1999 https://t.co/6vdpQwqI4M
こんな論文どうですか? <症例>注意欠陥/多動性障害の子どもとの関わり : 多動や衝動をめぐる遊びについて,1999 http://ci.nii.ac.jp/naid/110000034788

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