- 著者
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肴倉 宏
- 出版者
- 大阪女学院短期大学
- 雑誌
- 大阪女学院短期大学紀要 (ISSN:03877744)
- 巻号頁・発行日
- no.24, pp.89-98, 1996-03-01
自由論文自然とそれを覆う闇は、The Last of the Mohicans を構成する重要な要素であるだけでなく、作品のテーマを支える重要な意味をも与えられている。自然と闇は、それぞれ、善と悪を象徴的に示している。David Gamut は、Maguaを悪の化身と認識するけれども、自分だけは倫理的に正しいと思いこんでいる。このような David は、ダビデやイエス・キリストのごとく振る舞うのである。 Cooper は、イエス・キリストのように振る舞う David を悪と結び付けて描いている。 David は、偽キリストなのである。彼が偽キリストになってしまった原因は、古い生命力を失ったキリスト教信仰に固執しているためなのである。