著者
諫早 勇一
出版者
同志社大学
雑誌
同志社外国文学研究 (ISSN:02862832)
巻号頁・発行日
vol.78, pp.79-66, 1998-01-25

ペテルブルグで発刊されている雑誌ЗВЕЗДА(星)がナボコフ特集号を組むと知ったのは,ナボコフ・フォーラム(正式名称NABOKV-L, The Electronic Nabokov Discussion Forum)の1996年10月24日付けの記事によってだった。そこで主宰者のD. B. Johnson氏は,雑誌の編集長アンドレイ・アリエフ氏から得た情報として,The St. Petersburg magazine ZVEZDA is putting out a special Nabokov numberという計画をいち早く紹介し,さらにThe issue contains new Russian scholarship on various aspects of Nabokov as well as poems and essays by leading Russian writers, plus translations of Nabokov material available in English.と述べて,その内容に期待を抱かせた。結局,この特集号はЗВЕЗДΛの1996年11月号として刊行されたが,幸い私はこの号を同志社大学言語文化教育研究センター助教授のイリーナ・メリニコワ先生のご好意で入手することができた。そして,実際その内容は期待を裏切らないものだった。かつて欧米の研究者主導によって,ナボコフの英語小説の研究を中心に展開されてきたナボコフ研究は,現在亡命者を中心とするスラビストたちの積極的な参加によって,新たな展望を開きつつある。この特集号は,ロシア在住の研究者のみならず,世界各国に広がったロシア系の研究者たちの参加をえて実現した,ロシアの側(ある意味で,ロシア文学の側)から今日のナボコフ研究に投じられた巨石とも言えよう。以下,この号の内容を紹介しながら,その今日的意味を考察してみたい。

言及状況

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こんな論文どうですか? ЗВЕЗДА, 1996 (11) : Владимир Набоков, Неизданное в России. Санкт-Петербург(諫早 勇一),1998 https://t.co/DvhjWQ1Htl

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