著者
田中 圭子
出版者
同志社大学
雑誌
社会科学 (ISSN:04196759)
巻号頁・発行日
vol.80, pp.43-58, 2008

日本の球体関節人形は、1960年代に澁澤龍彦、瀧口修造らシュルレアリストたちによって紹介されたハンス・ベルメールの人形写真との邂逅に始まる。人形には「人形としてのかたち」があるという発見から生まれた四谷シモンの人形は、それまでの叙情的で愛らしい創作人形の概念を覆すものであった。70年代の四谷シモン、土井典らの活躍によって、球体関節人形は工芸の一部としては収まりきらないものとの認識が高まり、新たな文脈の中で独自の発展を遂げてゆく。80年代、天野可淡、吉田良らが制作した耽美で幻想的な人形作品と写真集は、その後の人形表現に大きな影響を及ぼし、多くの追随者を生むこととなった。また、球体関節人形に関する出版物の増加、人形教室の開設などにより、球体関節人形制作は短期間で全国に波及し、多くの作家を輩出していった。近年では、西欧のビスクドールに影響を受けた恋月姫の登場以降、玩具性やファッション性を重視する傾向が強まり、球体関節人形文化はサブカルチャーと係わりあいながら新たなひろがりを見せている。
著者
佐藤 郁哉 川嶋 太津夫 遠藤 貴宏
出版者
同志社大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01 (Released:2015-04-16)

平成27年度は、予備調査で収集した文献や資料を通して、日英両国における研究評価およびそれにもとづく選択的資源配分の実態を把握するとともに、資料調査や海外での聞き取りを通して新たに入手した情報の検討を加味した上で、平成28年度以降におこなう本格的な国際比較研究のための分析枠組みの構築につとめた。特に注目したのは、英国の研究評価事業においては、回を重ねる毎に、評価対象として提出される研究業績の刊行種別の構成に大きな変化が見られる、という事実である。また、資料調査の結果、その変化のパターンには、学問分野別に顕著な違いが観察される場合が少なくないことが明らかになった。すなわち、英国においては、1986年以来ほぼ5~6年の周期で通算7回にわたって全国レベルでの研究評価がおこなわれてきたが、回を追う毎に提出業績の中でジャーナル論文の占める比率が高くなっているのである。実際、1996年の研究評価事業では、論文の割合は6割程度に過ぎなかった。これに対し、直近の評価事業である2014年におこなわれたResearch Excellence Framework(REF)の場合にはそれが8割以上にのぼっている。また、たとえば、経営学系の分野においては、6割以下であったものが約96%にまで達している。このような現象は、選択的資源配分と不可分に結びついた研究評価のあり方が、競争原理の強化を通して研究の質を高める、という当初の目的とは別に、研究の内容に対して甚大な影響を与え、ひいては質の低下という意図せざる結果をもたらす可能性を示唆するものである。平成27年度の研究においては、特にこの点に焦点をあてて、研究評価のパネルメンバーであった英国人研究者および研究資金管理団体の関係者等への聞き取りを通して、研究評価の政策効果と意図せざる結果に関する分析枠組みの構築につとめた。
著者
板垣 竜太
出版者
同志社大学
雑誌
評論・社会科学 (ISSN:02862840)
巻号頁・発行日
vol.105, pp.149-185, 2013-05

本資料は,朝鮮学校への嫌がらせ事件について京都地裁でおこなわれている裁判のために書いた意見書を全文活字化したものである。前半は,朝鮮学校の現状に関する説明である。日本および朝鮮民主主義人民共和国のカリキュラムとの比較,教科書の歴史的な変遷,朝鮮学校の組織体系などについて論じた。後半では,まず日本における民族教育史をたどりながら,民族教育権という概念が弾圧と抵抗の歴史のなかで編み出されてきたことを論じた。次に,保護者が子どもの言語習得や自尊心の確立を願って朝鮮学校を選択していること,受け身ではなく自分たちの学校と認識しながら子どもを送っていることも述べた。その上で,本件が,歴史的にも他国との比較においても典型的なレイシズム事件に他ならないことを論証した。
著者
岩坪 健
出版者
同志社大学
雑誌
社会科学 (ISSN:04196759)
巻号頁・発行日
vol.101, pp.1-17, 2014-02

西洋音楽に使われる楽器とジェンダーに関する研究は、すでに欧米において進められていて、男性/女性向けの楽器や、男性/女性らしい楽器に分かれる。平安時代にもジェンダーの概念があり(千野香織氏の説)、源氏物語に描かれた絃楽器にもジェンダーが見られるか考察する。当時の絃楽器には和琴・箏の琴・琵琶・琴(きん)の琴(こと)の四種類があり、このうち和琴だけが日本原産で、ほかの三種は外来である。千野氏の論によると、中国は男性性-日本は女性性に分けられるので、日本産の和琴は女性性の楽器と仮定できる。また、和琴は東琴(あづまごと)とも呼ばれ、東国は都より下に見なされていた。よって和琴には、女性性と下位の要素が共存している。これは上位の中国は男性性、下位の日本は女性性と説く千野説にも合う。次に箏の琴は、源氏物語では「あやしう昔より箏は女なん弾きとる物なりけり。」(明石の巻)とあり、女性向きの楽器と捉えられていた。逆に琵琶は、「琵琶こそ、女のしたるに憎きやうなれど、」(少女の巻)により、女性には似合わない、と見なされていた。最後に琴(きん)の琴(こと)は、中国では君子の嗜む楽器として尊ばれていた。以上により、琴(きん)の琴(こと)と琵琶は男性性、箏の琴と和琴は女性性の楽器と定義され、それにより物語の新たな読みが拓かれるのである。
著者
大島 正
出版者
同志社大学
雑誌
同志社外国文学研究 (ISSN:02862832)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.27-57, 1976-12-20

論文(Article)
著者
西丸 良一
出版者
同志社大学
雑誌
評論・社会科学 (ISSN:02862840)
巻号頁・発行日
vol.111, pp.141-155, 2014-11

本稿は,X大学Y学部を対象に,入試選抜方法と学業成績・能力向上感の関連を検討した.分析の結果,基本的に各選抜方法のなかで,「一般・センター」で入学した学生のGPAにくらべ,「指定校・公募・AO」「内部推薦」「留学生・社会人・編入」で入学した学生のGPAが低いということはなかった.また,選抜方法によって能力向上感に大きな差もみられないようだ.ただし,GPAと能力向上感にほぼ関連がない.大学教育において,学生の勉学に対する評価がGPAなら,能力向上感と正の関連を示す方が望ましい.なぜGPAと能力向上感が関連しないのかに関しては,今後の大きな検討課題といえよう.
著者
清水 征樹
出版者
同志社大学
雑誌
同志社法學 (ISSN:03877612)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.201-224, 1987-07-31

論説
著者
西村 安博
出版者
同志社大学
雑誌
同志社法學 (ISSN:03877612)
巻号頁・発行日
vol.60, no.7, pp.3983-4066, 2009-02

論説(article)鎌倉幕府の裁判において、訴訟一方当事者に対して、応訴が要求される場合にみられる訴訟手続上の特色を明らかにする。応訴要求を行う裁判所が発給する「問状」や「召文」に関するこれまでの研究史を再検討する。加えて、近時の最新の研究成果である岩元修一氏の理解をフォローすることにより、関係史料に関する再検討を行う。以上の作業をもとに、召文や応訴をめぐる法制史理解の可能性を提示する。
著者
林 葉子
出版者
同志社大学
雑誌
同志社法學 (ISSN:03877612)
巻号頁・発行日
vol.50, no.4, pp.143-201, 1999-02-27

研究ノート
著者
岡 道男 岡 道男
出版者
同志社大学
雑誌
同志社法學 (ISSN:03877612)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.42-88, 1968-12-25

資料