著者
石黒 久美
出版者
足利短期大学
雑誌
足利短期大学研究紀要 (ISSN:03893278)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.9-13, 20, 1999-03-15

平成8年に出された「看護婦等養成に関するカリキュラムの改正」によると,21世紀に向けた看護の多様化と高齢化社会に対応するために看護婦の資質の向上を目的とした,幅広い人間性を培う教育が必要である,とあげられている。しかし,看護基礎教育の現場である養成機関に学ぶ学生の大半は青年期から成人前期にあたる若者を占め,自己意識確立の成長段階にある彼らには,人間性を重視する前に自己意識が大きな課題としてあるため,実践教育の様々な困難さを先行研究で示唆されている。今回,看護学生のほとんどといえる青年の意識構造をNHK世論調査と,総務庁による青年の連帯感に関する調査より,自分の友人関係を主に近隣への人間関係をどの程度密着したい意識があるのか明らかにした。その結果,現代の若者の意識は友人関係に対して,深い付き合いを意識には求める傾向が強く,また,他の周囲の人間への意識は20年前の日本の若者に比して確実に低下傾向を示していることが明らかとなった。

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