- 著者
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今井 民子
- 出版者
- 弘前大学
- 雑誌
- 弘前大学教育学部紀要 (ISSN:04391713)
- 巻号頁・発行日
- vol.77, pp.57-61, 1997-03
C.Burney(1726-1814)の生涯最大の業績は,いうまでもなく『音楽通史』の執筆であろう。しかし,彼は18世紀の啓蒙知識人にふさわしく,音楽史家としてだけではなく作曲,演奏,教育など音楽の多方面で活躍した。本稿では,彼の音楽教育者としての活動を検証する。まず,18世紀イギリスの音楽教育の現状を,宗教改革,産業革命という二大社会現象との関連から概観し,当時の音楽教育への需要の高まりを明らかにする。次に,C.バーニーが生涯続けた音楽の個人教授の実際に目を向け,最後に,彼が提案した,イギリス初の公立音楽学校設立の計画についてふれる。彼の長年にわたる音楽の個人教授と,音楽の専門教育機関設立の運動は,イギリス国民の教化とその音楽文化の振興を目ざしたものであり,音楽教育者として果した彼の功績は大いに評価しなければならない。