著者
麓 信義
出版者
弘前大学
雑誌
弘前大学教育学部紀要 (ISSN:04391713)
巻号頁・発行日
vol.90, pp.111-130, 2003-10

本誌本号に掲載された筆者の論文を学会誌に投稿したときの審議経過を検討し,レフェリー付きの学会誌に不可欠な,「審査-異議申し立て-回答」という論理的な討論経過を経ていないことを確認した。この実態を,これまでの報告と比較検討し,日本における学会での論文審査の問題点を指摘した。
著者
山口 徹
出版者
弘前大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究では、森鴎外による翻訳作品とその原典との比較分析を行い、次にそれが鴎外の創作作品にどのような反映が生じたかという点について検証した。これにより、近代日本とヨーロッパとの文化情報伝達の事例の中でももっとも高度な一面について明らかにすることができた。広範な領域に亘って多くの訳語を日本語に定着させた鴎外の文業は、近代社会の形成をソフト面から支援した点でも重要であり、その意義を幅広く問う必要がある。本研究の成果は、近代日本の形成期における国際文化情報の伝播と影響についての実態解明に繋がるものである。
著者
上野 善道
出版者
弘前大学
雑誌
文経論叢. 文学篇 (ISSN:03854191)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.1-13, 1977
著者
吉田 光明 三浦 富智 葛西 宏介 中田 章史
出版者
弘前大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

未成熟染色体凝縮(PCC)とPNA-FISH 及びcentromere-FISHを併用して染色体異常を解析し、低線量から高線量まで広範囲に適用できる線量評価法の確立を目的として、健常者より採取した血液をγ線0~25Gyまで17ポイントの線量で照射し、PCC-ring法、PCC-FISH法、DCA-FISF法、ギムザ法の4種類の染色法により解析を行った。その結果、PCC-FISH法、DCA-FISF法において最も効率よく染色体異常を検出することができた。また、低線量から高線量域まで染色体異常頻度に線量依存性が確認されたことから、1つの検量線を作成することが可能であることが明らかとなった。
著者
彌永 信美
出版者
弘前大学
雑誌
弘前大学國史研究 (ISSN:02874318)
巻号頁・発行日
vol.105, pp.23-39, 1998-10-30
著者
V・L カーペンター 四宮 俊之 神田 健策 黄 孝春
出版者
弘前大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

りんごを事例にして農産物の生産販売における知的財産の活用に不可欠な育成者権(特許)と商標権の管理運営・保護に関わる諸課題を考察し、その商標権に基づく商標使用ライセンス契約等による一貫した新しい生産と販売の試みを検討した。また、知的財産(商標権)活用の先駆者となったピンクレディー(品種名:クリプス・ピンク)管理・運営の「クラブ」システムの展開と実態を調査した。
著者
山田 史生
出版者
弘前大学
雑誌
弘前大学教育学部紀要 (ISSN:04391713)
巻号頁・発行日
vol.85, pp.11-37, 2001-03

『臨済録』中随一の崎人「普化」の行蔵に就いて若干の考察を試みる。
著者
中村 和彦 杉山 登志郎
出版者
弘前大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

虐待関連性発達障害(自閉症様症状およびADHD様症状)を呈する成人患者に対してPET研究を行った。脳内ドパミンD1受容体の増減で、虐待関連性発達障害の病態がわかり、鑑別ができる可能性がある。虐待関連性発達障害のトラウマ処理の技法として、短時間で行うチャンスEMDRを開発しトラウマ処理への効果を見出した。少量薬物療法について、神田橋條冶による漢方処方のトラウマへの効果、少量抗精神病薬の併存症への効果を見出した。
著者
今井 民子 笹森 建英
出版者
弘前大学
雑誌
弘前大学教育学部紀要 (ISSN:04391713)
巻号頁・発行日
vol.66, pp.29-53, 1991-10

ヴァイオリン音楽の発展を可能にした背景には,17世紀から18世紀の楽器製作の改良,演奏技術の確立があった。この論文では,先ず楽器製作の変遷を概観する。この時代の演奏技術の確立を把握する上で重要なのは,器楽形式の発展と,一連の技法書の出版,技巧を駆使して葵すカブリスの類の作品の出現である。レオボルト・モーツァルトMozart, Johann GeorgLeopoldやジェミニア一二Geminiani,FrancescoSverioの奏法に関する著書,ロカテッリLocatelli,PietroAntonioのカブリスは重要な役割をはたした。この論文では,彼らによって掲示された技法を具体的に考察する。20世紀,特に1945年以降は,音楽様式,演奏法が画期的な変貌を遂げた。その技法上の特質を明らかにする.これらを踏まえて,音楽文化が新芽し,形成され,さらに発展,変遷していく過程に教育書がどのような役割を果たすのかについても検証する。
著者
加来 和子
出版者
弘前大学
雑誌
弘前大学教育学部紀要 (ISSN:04391713)
巻号頁・発行日
vol.63, pp.33-49, 1990-03

本研究では,青森県内の全小・中・高校,計783校(回収率89%,分析対象校699校)を対象に質問紙郵送調査法を用いて禁煙教育の実施状況を調べ(1985年~1988年),今後の禁煙教育のあり方を検討することを目的とした。禁煙教育を「全校で継続的・計画的に行っている」学校は,小学校1校(0.2%),中学校11校(6.1%),高校12校(18.2%),何らかの形で授業を行っているのは小学校32%, 中学校57%, 高校74%であった。禁煙教育はまだ十分学校教育の中に位置づけられていない。その推進の問題点として,教師側,質料・補助教材,家庭,地域・一般社会の4つの問題が考えられるが,学校で鍵となる問題は喫煙する教師の問題である。
著者
高橋 晋一
出版者
弘前大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1993

函館の華僑社会は現在32世帯からなっているが、国内の他の華僑社会に比べると規模が小さい。華僑は多くの場合、移住地においてチャイナタウンを形成し、そこに集住する傾向にあるが(例えば横浜や長崎)、函館の場合、華僑はチャイナタウンを形成せず、市内全域に分散して居住している。これは華僑の人数が少なかったこと、函館華僑のほとんどが行商を主な業とする福建省福清県の出身者であったことなどによるものであろう。現在、函館華僑が出身地である中国本土からもたらした伝統的な文化は大きく変化している-すなわち日本化の一途をたどっている。現在、函館華僑社会において行われている主な中国の伝統行事としては、4月の清明節、関帝の誕生祭(6月)、8月の中元節がある。清明節および中元節には、中国人墓地に集まって祖先供養の儀礼を行い、その後みんなで会食をする。これらの行事は華僑一世を中心に行われており、二世・三世といった若い世代の人は関心が薄く、参加率はあまり高くない。また儀礼は僧侶を呼んで仏教式に行うなど、儀礼内容の日本化が著しい。かろうじて紙銭を焼く風習、参拝方法などに中国方式をとどめている。このように伝統文化を失いつつある函館華僑社会では、「中国人」としてのエスニック・アイデンティティは特に若い世代で急激に薄れている。一世の人達は、中国語を話し、大陸に里返りするなど、中国とのつながりを失っていないが、二世、三世になると大きく価値観が違う。例えば一世は、華僑同志結婚するのが望ましいと考えているが、二世、三世ではそのような意識は低い。伝統行事も次第に形式化しつつある。このような世代間のギャップを超えて自分達の文化を改めて見直し、継承・創造していく道を見いだすことが、今後の函館華僑社会の大きな課題となっていくるものと思われる。
著者
北原 啓司
出版者
弘前大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

前年度の先進事例の実態調査を受け、平成16年度には、大きく3つのアンケート調査を実施している。一つは東北地方に存在するすべての都市の都市計画担当者を対象とした、コンパクトシティ戦略および街なか居住施策に対するアンケートである。10万人以下の都市においては、依然として郊外拡大が継続されており、また、農業従事者による農地転用要求により、街なか居住施策の有効性が担保できない状況が明らかになった。また、10万人以上の都市においては、住宅マスタープランや中心市街地活性化基本計画と連動する形で、コンパクトな都市計画マスタープランが策定されてはいるものの、具体的な街なか居住施策がとられている自治体は非常に少なく、掲げる目標と実際の施策との整合性があまりとれていない現状がある。一方で、昭和40〜50年代に郊外に住宅地を求めた世帯の今後の住み替え需要と、街なか居住施策との関連性を探る目的で、現在、都市計画マスタープランにおいて、コンパクトなまちづくりを目指す八戸市郊外の住宅団地を対象とした住民アンケート調査を実施している。アンケートの冒頭では、特に将来的な危惧を抱いておらず住み替えをほとんど意識していない回答が大半であるものの、質問項目が進んで行くにつれて、将来に対する不安が増大していくこととなり、街なかの集合住宅居住を希望するものの、現在所有する住宅をどのような形で処分していくかが未知数であるために、現実的に住み替えを志向できない状況が明らかになった。また、郊外の市営住宅居住者に対して実施したアンケート調査に於いては、街なかの公営住宅の必要性と家賃との関連性についての意識を問うている。しかし、特に郊外の市営住宅階層は、長期的な居住を続ける高齢者層が多く、そのような郊外居住者の住み替え需要よりも、結婚や転勤等により新たに登場する若年層の需要に対応した公共住宅供給の必要性が明らかになった。
著者
鍵谷 昭文 齋藤 良治
出版者
弘前大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1995

性ホルモン投与における中枢神経系の形態の変化を主にゴナドトロピン分泌を調節するLH-RHニューロンのシナプス可塑性の変化から検討することを目的として、性機能の推移や性差に伴う視床下部、特に視索前野と弓状核領域のLH-RHニューロンおよびグリア数とその分布状況、軸索樹状突起シナプス数、軸索細胞体シナプス数やその変化などについて電子顕微鏡を用いて超微形態学的研究をおこなった。今回の補助金により、電顕材料を計画的に作成するとともに、免疫組織学的検索をおこなうことができた。各性周期のラットおよび卵巣摘除後、さらにエストロゲン投与後に潅流固定を実施し、脳組織を摘出した。脳の検索部位についてLH-RH免疫組織化学的検討を実施した。透過型電子顕微鏡を用いてLH-RH免疫組織陽性細胞とLH-RHニューロンについての超微形態学的変化の検討をおこなった。双極性のLH-RH免疫組織陽性細胞はラット視索前野を含め視床下部に比較的広く分布していたが、視索前野および弓状核のLH-RHニューロンはドパミンニューロンやGABAニューロンなどともお互いにシナプス結合していることが判明し、この部位は生殖内分泌学的には極めて重要な中枢部位と考えられた。性周期の各時間では、弓状核および視索前野における軸索細胞体シナプス数には変動がみられ、PROSTRUSの時期が最も多く、次いでDIESTRUS,METESTRUS,ESTRUSの順であった。しかし、性周期に伴う変化は軸索樹状突起シナプスではみられなかった。一方、卵巣摘出後のラットでは軸索細胞体シナプス数は減少し、特にEstradiol投与後では平均28.8%の減少がみられたが、この減少は経時的に回復する傾向が認められた。このように、エストロゲンはラット視索前野および弓状核のLH-RH免疫陽性軸索細胞体シナプス数の変化に大きな影響を及ぼしていることが明らかとなった。
著者
彌永 信美
出版者
弘前大学
雑誌
弘前大学國史研究 (ISSN:02874318)
巻号頁・発行日
vol.104, pp.44-68, 1998-03
著者
加来 浩
出版者
弘前大学
雑誌
弘前大学教育学部紀要 (ISSN:04391713)
巻号頁・発行日
vol.92, pp.19-26, 2004-10

第一次世界大戦後にハブスブルク帝国から独立したチェコスロヴァキアでは,全人口の約1/4,300万人以上のドイツ人(いわゆるズデーテン・ドイツ人)がそれまでの支配民族の地位から転落して最大の少数民族集団となった。チェコスロヴァキアは連合国と結んだ条約に基づき, ドイツ人を初めとする少数民族の権利の保護規定を憲法に盛り込んだが,憲法と同時に制定された言語法ではチェコ語(チェコスロヴァキア語)のみを「国家語」(公用語)と認定するなどチェコ語に非常に有利なものであり,少数民族の立場から見ると,むしろハブスブルク帝国時代より「後退」でさえあった。このことはズデーテン・ドイツ人の大きな不満の種となった。